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友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ? 作者:【世界一】とにかく可愛い超巨乳美少女JK郷家愛花24歳【可愛い】

第四章

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5、友人キャラと生徒会庶務

 池の前任の生徒会長と名乗った、竹取輝夜たけとりかぐや先輩。


 ……言われてみれば、確かに前生徒会長はそんな名前の女子生徒だったような……と思い出す。

 しかし、俺はてっきり前生徒会長なんて、とっくに卒業していると思っていたものだから、驚いた。


 そんな竹取先輩の言葉を聞いて、


「前任の生徒会長ですか。……あれ? それならなんで、優児先輩は竹取先輩のことを知らなかったんですか?」


 と、俺に向かって疑問を投げかける冬華。

 うっ、と言葉に詰まる俺。

 そして少し沈んだ様子の竹取先輩。冬華の悪意なき純粋な疑問に、無駄にダメージを食らってしまった竹取先輩。

 ……俺のせいで申し訳ない。心中で俺は頭を下げる。


「人の顔を覚えるのは、苦手なんでな」


 竜宮の時もそうだったが、俺は本当に人の覚えるのが苦手なのだ。

 だから別に、竹取先輩が生徒会長として影が薄かったわけではない。

 と思いつつ、俺は違和感を抱いて彼女に問いかけた。


「……先代生徒会長だとしても、今ここにいるのはおかしいすよね?」


 ギクリ、とした様子の竹取先輩。

 俺と冬華はその様子を見て不思議に思い、改めて彼女を見た。


 気まずそうに視線を俯かせてから、彼女は小さく呟いた。


「……今は、生徒会の庶務をやっているから」


「「え?」」


 俺と冬華が、同時に呟いた。


「……生徒会選挙で二期連続当選確実という下馬評を春馬に覆され、得票数では乙女にすら敗れたあたしは、前生徒会長にもかかわらず、今は後輩の下の役に甘んじ、生徒会の庶務をやっているから、ここにいるのは別におかしくないから」


 腕を組みつつ、フンと自嘲気味に嗤いながら竹取先輩は言った。

 俺と冬華はいたたまれない気持ちになった。


「なんか、すんません」


「謝るな、余計に惨めになるだろうが」


 この件に関してはもうそっとしておこう。

 俺と冬華は顔を見合わせて頷きあった。


 それから話題を変えるために、冬華は口を開いた。


「それで、竹取先輩。他の生徒会役員の人たちは今、どこにいるんですかぁ?」


 明るく、甘えたような声音で問いかける冬華に、竹取先輩は答える。


「さぁ、知らん。あたしは基本生徒会をサボっているからな。あいつらがどんな仕事をしているのかは、分からん。というわけで、あいつらが今どこにいるのかもわからん」


「そんな自信満々に言われましても……」


 ケロリとそんなことを言う竹取先輩に、冬華は呆れたように呟いた。


「全く、久しぶりに生徒会に来たってのに、他の役員はいないし、あたしは部外者の対応だなんてな」


 竹取先輩は、溜息混じりにそう続けた。


「それって、チョー自業自得だと思うんですけどー?」


 間延びした声でツッコム冬華に、無邪気に竹取先輩は笑ってから、答える。


「別に、不運だって思ってるわけじゃないっての。おまえたちの話はたまに聞いててな。お前たちとは話をしてみたいと思ってたわけだし」


 そう言ってから、冬華を見た。

 値踏みするようなその視線に、冬華は身をよじる。


「冬華は、乙女がいつも言ってるように、確かに綺麗な顔をしてるな」


「えっ? いつも……?」


 と、先ほどよりも一層身構える冬華。

 その反応を見て、さらに嬉しそうに、竹取先輩は笑った。


「ああ、いつも春馬の奴に『冬華さんはとても綺麗で素敵です。私もあんな妹が欲しい」って、熱烈なアピールをしているぞ」


「……えぇー、ちょっとそういうのは私的にはNGなんですけどねー」


 と、気まずそうな表情を浮かべながら冬華は吐き捨てるように言った。

 やはり竜宮のことは、わりと苦手らしい。


「あの朴念仁は、そんな竜宮のアピールを気づいてなさそうで、はたから見てたら笑えるんだけどな」


 と、他人事だからか悪戯っぽく笑いながら竹取先輩は言った。

 それにしても、流石は鈍感系主人公の池。熱烈な竜宮のアピールに気づかないとはな。


「んで、あんたが噂の友木ってわけだ。……ふぅん」


 俺を見て、意味深にニヤリと笑う竹取先輩。


「……なんすか?」


「何でも。ただ、確かにあいつがいつも言ってるように、いい男だなって思っただけだぞ?」


 熱っぽい視線を俺に送りながら、竹取先輩はそんなことを言った。

 ……いやいや、なんだそのツッコミどころの多いセリフは? そう思っていると、


「あの、竹取先輩? 人のカレピを初対面でいい男呼びとか、やめて欲しいんですけど? ていうかそのあいつって誰のことですか? 詳しく話を聞かせてくれませんか?」


 俺の代わりに、色々と突っ込んでくれる冬華。


「心配するなよ、あたしは年下には興味ないから」


 竹取先輩はそう前置きをしてから、


「しかし、彼女としては、気になるってのもわかる。だけどな、冬華。心配性も度がすぎると、重く感じて愛想つかされちまうぞ?」


 と、あっけらかんとした様子で応えた。

 その言葉に、やや動揺を浮かべる冬華。

 思いもよらない言葉に、戸惑ってしまったのだろうか?


「いえ、別にそういうわけじゃ。先輩は私にメロメロで浮気とか絶対ないわけですし? そんなわけで、叶ぬ恋をしている人がいるのなら、可哀そうだから早く諦めてもらうために声をかけようと思っただけですし?」


 不服そうな表情を浮かべ、髪の毛の先を指先で落ち着きなく梳きながら、冬華は早口で言った。

 その様子を見て、竹取先輩は意地悪く笑いながら、口を開いた。


「ちなみに、友木を良い男だと評したのは、あんたの兄貴に春馬だよ」


 ニヤリとする竹取先輩と、ハッとしてから顔を見る間に真っ赤にする冬華。

 揶揄われたのだと気づいて、恥ずかしいのだろう。

 そんな様子を見た竹取先輩は、にやにやと厭らしい笑みを浮かべながら、俺たちに向かって口を開く。


「いやー、可愛らしい彼女だな、後輩くん。羨ましい限りだ」


「……おかげさまで」


 俺は彼女の言葉に呆れつつ、そう答えた。

 冬華がムスッとして、なぜか俺のわき腹に拳を叩き込んでくる。

 痛くはない、くすぐったいだけだが……本当になぜなのだろうか?


 そんなことを考えるのだが、残念なことに。

 冬華も竹取先輩も、その答えを教えてはくれなかった。





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