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長野乗鞍から木曽駒へ? ライチョウ40キロ飛来
七月に中央アルプスの木曽駒ケ岳で目撃された絶滅危惧種のニホンライチョウが、北アルプスか乗鞍岳から飛来したとみられることが環境省信越自然環境事務所の調べで分かった。環境事務所は、人工繁殖につながる可能性もあるとして今後の対応を検討する。 木曽駒ケ岳では一九六九年以降、ライチョウが目撃されず、絶滅したとされてきた。今年七月、岐阜市の団体役員鈴木金治さん(59)が休暇の登山中に見つけて撮影した。 鈴木さんは「山頂付近で鳥を見つけ、写真に撮ったらライチョウだった。何でこんな所に、と思った」と振り返る。 驚いた鈴木さんから写真提供を受けた信越自然環境事務所の職員や信州大の中村浩志名誉教授らが八月、現地調査をした。ライチョウの姿は確認できなかったが、山小屋の頂上木曽小屋付近で羽毛やふんなどを採取した。 採取されたふんなどを使って国立科学博物館(東京)が二種類の遺伝子解析をしたところ、北アルプスと乗鞍岳に生息するライチョウとDNAが一致した。 木曽駒ケ岳との距離は乗鞍岳が約四十キロ、北アルプスが約五十五~百キロで、環境事務所の担当者は「近い方の乗鞍岳から山伝いに移動してきた可能性が高い」とみる。 環境事務所によると、ライチョウの雌は近親交配を避けるなどの理由から、冬になると遠方へ移動することが知られている。北アルプスから白山(石川県、岐阜県)へ七十キロほど移動した例もあるという。 環境事務所の担当者は「北アルプスや乗鞍岳のライチョウの成鳥やヒナを持ち込み、木曽駒ケ岳で繁殖に使えるかもしれない」と話している。十二月に中村名誉教授ら専門家らを集めて会議を開き、今後の対応を話し合う。 (城石愛麻) 今、あなたにオススメ Recommended by PR情報
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