日本家庭連合所属の食口の皆様へ

~米国での訴訟の件について

 

※多くの方々が認識しておられないかもしれませんが、今回の訴訟において、日本家庭連合は原告団の一員でした。下記は、日本家庭連合所属の食口の皆さんに向け、私個人の見解を、個人の責任において記したものです。

 

教会(家庭連合)サイドから、「家庭連合の完全勝利」と言わんばかりの第一報が流れたのは、今から一週間ばかり前のことでした。今では、「複数の請求のうちの主要部分に関する判決」と表現が変わり、「判決自体が確定したとは言えない」が、「今後の裁判に与える影響は大きい」といった説明に変わりましたが、聞こえてくる話からすると、食口の方々には、「最初の知らせ」のようにしか伝わっていないように思えます。

UCI側にとって、今回の一件は、確かに、想定外の出来事に違いありません。それは極めて受け入れ難い事態であり、大きな負担を背負わされることになったのも事実でしょう。しかし、裁判は何も「終わって」はいないのです。むしろ、本当の闘いが「始まって」しまったのかもしれません。伏せられてきた内容も含め、今後、全てがオープンにならざるを得ないと思うからです。

 

 

何のための、誰のための裁判か?

 

私が一年前、声を挙げた理由は、どこまでも、「家庭連合」の行く末を危惧する思いからでした。そこには、私たちの信仰観を揺るがす「独生女神学」の課題と、限界を越えてなお続く「献金摂理」の問題と共に、この米国での「訴訟」によって失われるものの大きさに対する危惧がありました。今日に至るまでの一連の訴訟は、一体、何のための、誰のための訴訟だったのでしょうか?

 

 資産を取り戻すためだ、と考える人たちがいます。しかし、ここ数年にわたり、裁判のために費やされ、また失われてきた損失は、それを遥かに上回るでしょう。顕進様を連れ戻すためだ、という人々もいます。もし、裁判に勝利したら、UCI側の資金が尽きたら、顕進様が戻ってくると、本気で考えているとしたら、それは、顕進様という方を―その動機や心情世界を―全く理解していない証拠でしょう。また、父母様の位相を立てるためだ、と本気で言われる方がおられるとすれば、それこそ、現状をしっかり見てください!

 

「真の愛」を訴え、「家庭理想」を訴えてきた家庭連合が、平和運動を展開している者を打つ側となり、原告となっているのです。「真の父母」が実の息子を相手どって訴訟を起こし、力づくで屈服させようとしている姿に「真の愛の伝統」を見る人がいるでしょうか?

 

顕進様が今、お母様のもとに行けない理由は、お母様の掲げられる「独生女」の信仰が原理でない!と思っておられるからです。それがお父様の伝統を失わせ、お母様の「真の母」としての立場を失わせると思っておられるからです。お母様を中心とする家庭連合が、本来の統一運動から逸脱し、また異なった宗教としての道を突き進んでいると思われているからです! そして、その動きは、お父様がご存命中の時からありました。それは私がこのブログで伝えてきた通りです。

 

顕進様が守ろうとしてきたのは、自らの立場でも、資産でもありませんでした。顕進様にとって大切だったのは、お父様が生涯にわたって追い求めて来られた「神の御旨」であり、「真の家庭の伝統」でした。家庭連合は今、その方を「教会の資産を奪った背任者」に追いやろうとしているのです!

 

 

裁こうとしている相手は誰か?

 

 私は昨年の3月、まだ家庭連合から追われる前、責任者に宛てた嘆願書の中で記しました。「敵を見誤っています!」と。

 

顕進様が取り組んで来られたことを、今一度、客観的に振り返ってみてください。それは神の御旨に反することだったのでしょうか? 統一運動の精神に反することだったのでしょうか? 顕進様の取り組みが広がることで、父母様の生涯が否定され、真の家庭の伝統が失われ、統一運動が推し進めようとする平和運動を毀損させることがあったのでしょうか? 全くの逆でしょう!是が非でも、顕進様の取り組みを食い止めようとした理由は何だったのでしょうか?

 

父母様の認可がない限り、「神の御旨」にはならないのだ、と言われる方々がいますが、その方々にはきっと、他の宗教に働かれる神の御旨が見えないのでしょう。私は過去、家庭連合にいながらも、顕進様の歩まれる内容を伝え聞き、韓国社会で、世界各国で、一貫して取り組んでおられる内容を知らされた時、「この方のなさる運動を絶対に妨げてはいけない!」と強く思い、それを意見してきました。神の御旨を行っていると実感したからです。お父様の悲願を叶えようとしている、と実感したからです!

 

この教会が神の御旨の成就を何よりも望み、希望していたなら、顕進様の成功を共に歓迎したことでしょう。また、教会の資金が顕進様の「勝手な活動」に浪費されている!と断言する前に、顕進様の活動が一体、どのようなものであり、何のために行われてきたかを知ろうとしたことでしょう。その間、顕進様の実際の取り組みに関し、食口の方々に一切聞かせようとも、触れさせようともしない教会内の状況に、私は「異常さ」を覚えてなりませんでした。

 

これまで、食口の方々が、顕進様を「盗賊」のように思い、誤解してきたのも当然でしょう。なぜなら、教会がそう説明してきたからです!そして、それを今度は、米国の法廷に認めさせることをもって、「勝利」だとして歓喜するのでしょうか!?

 

それはあたかも、2000年前、ユダヤ教の指導者たちが、ローマ総督を前に、イエス様の有罪判決を認めさせてしまった状況のように思えてなりません。総督ピラトは「神の御旨」を知らぬまま、当時のユダヤ人の主張、イエス・キリストに対する「神への冒涜罪」という祭司長たちの言い分を受け入れてしまったのです!

 

 

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