【スポーツ】[ラグビー]日本、格下のロシア圧倒できず 苦戦し何とか逆転勝ち2018年11月26日 紙面から
◇テストマッチ 日本32-27ロシア【グロスター(英国)大友信彦】ラグビー日本代表は24日、当地のキングスホルム競技場で、来年のW杯初戦で対戦するロシア代表と対戦し、32-27で逆転勝ちした。ただ、前半は不用意な反則からPGを決められ10-22とリードされるなど、圧倒したかった一戦で思わぬ苦戦を強いられた。対戦成績は日本の5勝1敗となった。日本代表はこれで年内の活動を終了。26日に帰国する。 太陽がまったく姿を見せない。重苦しい英国の冬空を映し出したような80分だった。 開始直後から単純な落球などのミスが連続。力任せに押してくるロシアに密集で圧力を受けてはPGを献上するなど開始20分でスコアは0-16。SO松田のPG、リーチ主将のPKから意表を突く速攻でトライを返したが、悪い流れは続き、勝ち越したのは残り10分を切った後半32分。途中出場のSO田村のキックを捕ったリーチが、相手タックルを弾き飛ばして左隅に飛び込んだ。劇的な逆転トライ。だが闘将に笑みはなかった。 「1本目はいいアタックをしていたから、攻めに行ったらトライになった。2本目はいいボールがきただけ。それより反則とミスが多すぎた」 相手はW杯開幕戦で戦うロシア。格下の相手に圧倒して「もう日本にはかなわないと思わせたい」という思いと、抜てきされた若手の意欲が空回りし、攻め急いではボールを失う悪循環。イングランドから前半リードを奪う接戦を演じた前週から一転、もろさを露呈した。 それでもリーチは「後半修正できたのは収穫」と前を向いた。この秋は強豪との連戦で「ゲームマネジメントを学べた」という。それが泥沼に沈みかけたチームを救った。ロシアとは10カ月後のW杯開幕戦で再戦する。そのとき、リーチは日本をどこまで引きあげているのだろう。 ◆ジョセフHC「成熟した証明」日本代表のジョセフヘッドコーチは「今日のロシアは素晴らしかった。去年までの日本なら負けていた。この展開でも勝ちきったのはチームが成熟した証明だと思う」と苦戦にもチームを称賛しながら、「課題はまだ山積している」と気を引き締めた。 そして「これまでは強豪国との対戦で経験を積んできたが、こういう第2グループとの対戦も避けては通れない。こういう苦しい戦いになっても決して負けないメンタルの強さが一番必要だ」と厳しい言葉も並べた。
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