【スポーツ】[柔道]ウルフ、男子100キロ級初V 世界制した強さ戻った2018年11月26日 紙面から ◇グランドスラム大阪柔道のグランドスラム大阪の最終日は25日、大阪市の丸善インテックアリーナ大阪で男女5階級があり、男子100キロ級はウルフ・アロン(22)=了徳寺学園職=が初優勝した。2連覇を狙った9月の世界選手権ではまさかの5位に終わったが、新たな減量法でパワーを蓄え復権。男子90キロ級は向翔一郎(22)=ALSOK、女子78キロ級は佐藤瑠香(26)=コマツ=が制した。 ウルフに世界を制した1年前の強さが戻ってきた。カナダ選手との決勝では小外掛けで技ありを奪って先行すると、焦って前に出てくるところを見計らったような大内刈りで再び技ありを取って一本勝ち。「相手をよく見て試合ができた。調子が良くても悪くても結果を出すのが一流」と胸を張った。 昨秋の世界選手権で優勝した後から故障が続き、今年1月には左膝を手術。実績を評価されて選出された2度目の世界選手権では「持ち味の粘り強さが全くだせなかった」と表彰台すら逃した。どうしたら、勝てるのか-。導き出した解決策が減量法の見直しだ。ウルフの通常時の体重は110キロほど。世界選手権では長期的に減量したが、今大会では「水抜き」と呼ばれる、ボクシング界などで一般的な短期間で落とす方法を選んだ。ウルフは「一昨日の朝で4・2キロ、昨日の朝で2・6キロ(オーバー)。今は108キロ。急激に落とした方が、急激に戻せる」。世界選手権では試合時は104キロで戦ったが、今大会決勝は通常時とほぼ同じ体重。「受けは強くなる」と持てる力を存分に発揮できた。 世界選手権時は験を担いでトレードマークの胸毛をそり上げたが、今回はそのままで「減量がつらくて…」と苦笑い。畳の上に全力を注いだ末の優勝で、ウルフが再び重量級の主役に躍り出た。(木村尚公)
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