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【大相撲】

稀勢に横審が激励 来場所休場なら引退勧告も

2018年11月27日 紙面から

横綱審議委員会の定例会合後、記者会見する北村正任委員長。右は芝田山親方=福岡市内のホテルで

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 大相撲九州場所後の横綱審議委員会(横審)が26日、福岡市内のホテルで9人全員の委員が出席して開かれ、横綱として87年ぶりとなる初日から4連敗を喫し、5日目から途中休場した横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=に対し、全会一致で内規にある「激励」を決議した。

 もう猶予はない。横審メンバーは、来年初場所は当然出場するものとしており、そこが正真正銘の進退場所となる。今回の横審では引退勧告こそされなかったが、初場所で結果を出せなければ引退。けがを理由に休場しても、「(引退勧告を)考えなきゃならないかも」(北村正任委員長=毎日新聞社名誉顧問)と横綱としての結果を出すしか残された道はない。

 右膝挫傷捻挫で全治1カ月と診断され、冬巡業もスタートからの参加はできない。それでも、山内昌之委員(東大名誉教授)は「けがはこういう世界、折り合いをつけながらやっている。寛大に見てきたが、いつまでそのような見方が可能なのか。けがで出られないのも一つの重い判断になる」とした。

 さらに厳しい意見だったのは宮田亮平委員(文化庁長官)。貴景勝が初優勝したことや3横綱が休場したことを視野に入れ、「世代交代かなあという印象。ちょうど過渡期になっているかな。22歳が台頭してきたわけだから」と話した。

 横審は内規に基づき、軽い順に(1)激励(2)注意(3)引退勧告、ができるが、決議されたのは2010年2月に引退した元横綱朝青龍の「引退勧告」以来。元横綱朝青龍は通達される前に引退しており、決議が通達されたのは稀勢の里が初めて。来年の初場所は、文字通り「待ったなし」の場所となる。 (岸本隆)

 

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