こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マンです。
ソーシャルレンディング市場で50%以上のシェアを持つmaneo。後発のソーシャルレンディング会社のなかには、maneoがネット上に作り上げたプラットフォームを利用している企業もあるようで、まさに業界の中心企業と言える存在です。
そのmaneoの社長の著書「セカンドマネーを創りなさい!」を読んだので、レビュー致します。レビュー内容の中心は「社長の人物像」です。
社長の人物像を知ることが、ソーシャルレンディングという新しいサービスがあやしいのか、あやしくないのか、そのあたりを判断するうえでの1つの材料になれば幸いです。
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ソーシャルレンディング会社maneo社長 瀧本憲治氏のプロフィール
瀧本憲治(たきもと けんじ)
- 1972年横浜生まれ
- 慶應義塾大学卒
- 米国公認会計士・中小企業診断士
- インカムゲインを主体とした投資に目覚め、これを推奨。「デフレ下では、インカムゲインにレバレッジをかける運用方法が最良」が持論
- 今までに企業オーナーや一般の小口投資家から預かって運用してきた資産は100億円超
- 投資家には約束通りの配当をし続けている、稀有な存在
- 信条は、「投資商品を創る時は、自分の親に買ってもらっても大丈夫な、自信のあるモノを創る」
今年45歳を迎える若手社長ですね。貸金業や証券業を営む会社の役員も兼任しているようです。
本の表紙に記載されているプロフィールを抜粋したのですが(赤字化は筆者)、赤字部分が彼の社長としての手腕を評価する重要なポイントになりそうです。
「君の名は」の主人公「瀧」くんと同じ漢字です
ほら、同じ漢字。
滝本ではなく、瀧本さんです。イケメンですね。
君の名はーーー maneo
著書「セカンドマネーを創りなさい」について
2013年1月25日に初版が発行され、同年4月9日には6刷までいったようです。
本の構成・趣旨
- 「金持ち父さん貧乏父さん」の内容を紹介、これを解説し
- 現代のサラリーマンのための投資方法を紹介するとともに
- ソーシャル・レンディングなど、最新のファイナンス業界の動きを紹介しながら賢い運用方法を示す
この3つです。
んで、はりきってレビューを書こうと思ったのですが、AMAZONのレビューで自分と全く同じレビューがあったので、それを引用しちゃいます。ほんと、この通りです。
「前半3割」の半分ぐらいは、主に『金持ち父さん貧乏父さん』の概略です。
その後は、大阪で貧乏をバネに、ガス管の埋設とパチンコ屋と土地転がしをやって、巨額の富を得た在日二世の方の奮闘記と、その薫陶を受けた著者による金貸しビジネスのすすめ……といった具合です。
「この本自体が(※瀧本憲治氏の)インカムゲイン」で、しかも、最終的には自社がらみの金貸し投資商品にいざなう案内書にもなっています。ほんまえぐいのー。
青木雄二プロダクションに表紙やらせたらよかったのに、てぐらい泥臭く、迫力があり、そういう意味ではおもしろかったです。
(出典:AMAZONのレビュー)
※部分は筆者による
そうなんです。
一言でいうと、えぐい(笑)いや、特に悪い意味ではないんですけどね。
なるほど、確かにこの方は徹底的な「インカムゲイン至上主義者」です。その行動全てが己のインカムゲインにつながっている合理的な人間だと思います。
この記事を読んでいる方は「ソーシャルレンディングに興味のある方」だと思いますので、自分が関わろうとしている業界の社長がどんな人間なのか知ることはとても有用です。
ということで、私の方では、社長の経歴(人柄)の情報に特化して紹介させて頂きます。
瀧本憲治氏の経歴・人柄のまとめ
箇条書きで飛ばしていきますよー!
- 大学卒業後に、セブンイレブン・ジャパンに就職
- が、面白くなかったので半年で辞める。
- そして、脱サラして起業していた父の会社に就職
- 企業課題の対応を巡って父と揉める。結局、父にクビを言い渡される。
- クビにされたので、米国公認会計士と中小企業診断士を取る
- でも資格では食えなかった
- 警備業者の幹部と知り合いになる。彼の独立に併せて、自分も役員として創業を手伝う。ガードマンの派遣会社を始める
- 儲かる。「そうか、この仕事は人材派遣業だ。ピンハネだ。ピンハネは、自分は動かずにチャリンチャリンとお金が入ってくるわけだ。こりゃーいいな」と思う。※「」内は本書原文ママ
ここで、彼の人生に転機が!
ピンハネ最高じゃねーか!と気づいてしまったんですね。
おいおい、これ本にそのまま載せてもいいんかい(笑)
続けますよ。
- 彼は、こう思い始める。「究極のピンハネは、銀行じゃねーか」※原文ママ
- よし、ファイナンス関係の仕事に就こう!
ここで、彼の師匠である木村会長に修行させて下さいと頼みにいったのでした。兵庫県、六甲山の頂上で…なんだこの展開。
UBI株式会社の創業者、木村勝男氏
19歳で起業し、20社以上からなる企業グループを形成するに至っている。極貧生活から、ガス管の埋設とパチンコ屋と土地転がしなどをやって成り上がり、富を得た。
- 木村会長のもとで修行を積み、みるみると頭角を現す。UBI株式会社入社後2年で常務取締役に抜擢される
- リーマンショック後、「なんだ、お金を貸すプレーヤーがぜんぜん居なくなって、まったく競争はないじゃないか。担保をガチガチにとっても、上限金利いっぱいの15%でお金を貸せるじゃないか!」ということに気が付く。※「」内原文ママ
- 貸金業者に登録して、金貸会社の社長になる
ここで、彼はついに「最高のピンハネビジネス」に足を踏み入れることが出来たのでした。ファイナンス村(彼の造語)の最上流にたどり着くことが出来たわけですね。
そして、2011年の東日本大震災を機に、大きな転機が訪れます。
- かねてから交流のあったmaneoの創業者から連絡がくる。「現在、maneoの株式はある大手の飲食会社がその99%を持っている。東日本大震災の影響で、その会社の業績悪化が懸念されている。新しいスポンサーを探したい。おたくのUBI株式会社で何とかしてくれないか?」
- 二つ返事でOK!UBI株式会社が、maneo株式の99%を取得し子会社化する!
こうして、瀧本憲治氏のmaneo参画が決まったのでありました….
それから数年、maneoは業界シェア50%を超え、貸出総額500億円を超える大きな金貸会社に成長したのです。
ソーシャルレンディングが醸し出すナニワ金融道の香り
いやー、資産運用本としての価値は高くないと思いますけど(特に前半部分は「金持ち父さん、貧乏父さん」の解説パートですし。原本を読んだ方が良いです)、「金貸し」に魅せられた男の成り上がりストーリーとしては非常に面白い本だと思います。
個人的には、こういう著者の個性がストレートに表現された本は大好きです。一般論では語し尽くせぬ、本人にしか語れぬその内容にこそ、本としての価値がある。人の人生をこんな安い値段で覗けるなんて、本って本当に面白いですね。
先日、こんな記事をアップしました。
この感覚、あながち間違いじゃなかったんだなとこの本を読んで思いました(笑)
maneoは利息制限法いっぱいの利率で金貸しを行い、高い利息を得ています(まぁリスクが高いので高い利率を取るのは当たり前なのですが、2011年以来貸倒0ってどういうことよ…)。
その原資は、私たち個人投資家から募っているのです。貸倒のリスクは個人投資家が負います。maneoと同じくソーシャルレンディングの会社である「トラストファイナンス」から図を頂戴しますが
貸出先から13%の利息をとって、2%ピンハネして、11%を投資家に渡す。
これがソーシャルレンディングのビジネスモデルです。
瀧本氏が大好きな、インカムゲインちゃりんちゃりんの最高のビジネスというわけですね。
ちなみに、本書内で、「自分の資産がとられてしまうことがないように、会社を設立してそっちを破産させよう!」というような記述も見られます。徹底してます。いや、ほんと泥臭いけど、素直にすごいと思います。
maneoは人のふんどしで相撲を取っているので(maneoに限らず金融企業はどこもそうですが)、リスクの低いビジネスをしていると思います。リスクを背負っているのは、個人投資家です。いや、ほんと良いビジネスモデルだわ。
ぼくも…maneo側に立ちたい…!(本音)
まとめ
この本を読む限り、瀧本憲治氏は、素晴らしい才覚をもった金貸し、優秀なビジネスマンだと思います。
著書「セカンドマネーを創りなさい!」はソーシャルレンディング業界最大手の社長の考え方が分かる本!ソーシャルレンディング業界の本質を垣間見ることができます。
こんなところですね。
ソーシャルレンディングをやってみようと思っている方には必読かも知れません。前半の金持ち父さん貧乏父さん解説パートは不要だと思いますが。
ソーシャルレンディングは、個人投資家からの投資を募るために、「FInTech」やら「社会貢献」やらオシャレなワードを全面に押し出していますが、その実態はしっかりと把握しておいた方がいいですよ。そのうえで、自分の資産運用としてソーシャルレンディングを利用するかどうか決めましょう。
仕組み自体は、世の中のニーズにあう画期的なものですから、検討の余地はあるのではないでしょうか。
個人的には、「インカムゲイン狙いの中長期投資家」が「ポートフォリオの5%程度」をソーシャルレンディングに投資してポートフォリオの「分散を図る」。1社・1件に集中投資せず、複数のソーシャルレンディング会社で口座を開設し、各社が募集する案件には最小単位で複数案件に投資する。
この投資の仕方がリスクコントロールが効いていいのかな?と思っています。投資の4番バッターではなく、戦略に多様性を出すための控えの選手というイメージでしょうか。利回りが5~10%と高いので、ポートフォリオの5%しか投資をしなくても、それなりの配当金をもたらしてくれます(50万円の投資でも、2.5~5万円の分配金)。
こびと株.comはとりあえずその方針で投資をしてみてレベルアップを図っていきたいと思っています。興味のある方は、さしあたり業界最大手・2011年以来デフォルト件数0のmaneoで投資案件の内容を確認してみてはいかがでしょうか。
2017/1/15にはクラウドクレジット社の運用報告会に顔を出してみるつもりです。
追記:行ってきました
さらに追記:色々と詳細に調べた結果、ソーシャルレンディングは「クラウドクレジット」が優れているという結論に達しました [最終更新:2017/8/06]
それではまたっ!
(※社長(瀧本憲治氏)の画像は、maneoのHPより)
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