糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの

11月25日の「今日のダーリン」

・このところ、「どういうふうにはたらくか?」であるとか
 「会社をどうやっていくか?」というようなテーマで、
 考えさせられたり話し合ったりすることが続いている。

 川島蓉子さんが取材してくれて、ぼくが語った
 『すいません、ほぼ日の経営。』という本が出たことや、
 今日、11月25日に二度目の「株主総会」があることも、
 だいぶん関係あるのだろうとは思う。
 しかし、それだけじゃなくて、世の中全体が、
 「はたらくこと」や「経営すること」についての
 興味を持ってきているのだなぁという気がする。
 大中小企業の経営に関わる人だけが考えるのではなく、
 一社員や、フリーではたらく人、学生などを含めて、
 「一般」の人たちが、このあたりのことを考えている。

 ぼくが『お金についてちゃんと考えることから
 逃げまわっていたぼくらへ』
という本を出したのが、
 いま調べたら2001年のころだった。
 このころは、まだ「お金」について考えることさえも、
 なんだか汚いことのように考える人が多かった。
 きれいも汚いも、考えもしないままに決めつけるのは、
 どうなんだろうと疑問に感じて、このテーマを選んだ。
 もともと、お金のことを専門的に考えている人は、
 世の中にはたくさんいたのだけれど、
 それはやっぱり「大きな一部分」という人々だった。
 それに対して「小さいかもしれないふつう」の人たちは、 
 「お金が苦手だといいながら敬遠」していたと思う。
 「あの人はいい人だ、金儲けはへただけど」という表現が
 いまでも、人をほめるときによく使われている。
 しかし「お金ってなに?」「お金とどうつきあう?」は、
 もうすでに一般的なテーマになっているはずだ。
 「お金について」で書籍検索したら、山ほど出てくる。

 「はたらく、会社、経営」というようなテーマは、
 いま、2000年のあたりの「お金」と同じように、
 ふつうに語られはじめていると、ぼくには感じられる。
 今日の「ほぼ日の株主ミーティング」には、
 ごぞんじの通りの小さい会社なのに、
 500名を超える株主が集まってくれるらしい。
 ビジネスの専門家でない人も、とても大勢来てくれる。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
真剣に、しかも知的にたのしく過ごせる日になりそうだ。