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【サッカー】

東京V、下克上1勝 11年ぶり昇格へ次戦横浜FC戦

2018年11月26日 紙面から

大宮に勝利し喜ぶ東京Vの(左から)平、若狭、井林(河口貞史撮影)

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◇J1参入プレーオフ1回戦 東京V1-0大宮

 J1参入プレーオフ1回戦が25日、NACK5スタジアム大宮で行われ、J2で6位の東京Vが5位の大宮を1-0で破り、3位の横浜FCと当たる2回戦へ進んだ。後半に退場者を出して1人少なくなった東京Vだったが、FKの好機を平が頭で合わせて先制し、1点を守り切った。2回戦は12月2日に横浜市のニッパツ三ツ沢球技場で行われ、J1の16位との決定戦は同8日に開催される。

 下克上ののろしだった。後半26分、敵陣左FK。鋭いカーブを描く弾道に向かって、182センチの平はニアサイドで跳び上がった。相手に競り勝ち、右側頭部で流し込んだ。ネットが揺れるのを見ても、瞬時には「分からなかった」と頭は真っ白だった。今季2得点の男が無我夢中の決勝ヘッド。ゴール裏のサポーターは総立ち、ロティーナ監督は顔をくしゃくしゃにしながら両拳を握っていた。

大宮-東京V 後半26分、ヘディングで先制ゴールを決める東京Vの平(左)=NACK5スタジアム大宮で(河口貞史撮影)

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 後半14分、内田が2度目の警告で退場処分を受けた。敵地で勝たなければいけない条件下で、一人少なくなった。絶体絶命のピンチ。なのに、平は「相手の方が、攻めるのか守るのか微妙になった」と冷静に戦況を見て、布陣変更に対応した。主将の井林は「点を取らなければいけないのは変わらない」と落ち着き払い、終盤に猛攻にさらされながら「やられそうでも、やられなければいい」と驚くほど堂々としていた。

 背中を押してくれる存在もいた。ベンチ横には、15日に急逝したOBのGK藤川孝幸さんのユニホームが掲げられ、選手たちは喪章を巻いて臨んだ。黄金時代を彩った名GKに、白星を手向けたい-。東京Vの下部組織出身の平は「歴史を築いた名選手のためにも、勝たないといけないと思っていた」とクラブ愛が原動力になっていた。

 J2に降格してから10年。かつての名門は苦境にあえぎ、もがき、でも、ロティーナ監督に率いられ、はい上がってきた。プレーオフ2回戦は、敵地で横浜FC戦(12月2日)。スペイン人の知将は「横浜にアドバンテージがある分、逆にプレッシャーを感じているんじゃないか」と自信をにじませ、力を込めた。 (松岡祐司)

◆大宮 開始から防戦一方

 セットプレーに沈んでJ1昇格を逃した。開始から防戦一方の展開を強いられ、石井監督に対し、ピッチ上の選手からマテウスと冨山のポジションを入れ替えるよう求めるなど、終始歯車は狂ったままだった。石井監督は「申し訳ない気持ちでいっぱい。目標を達成できなくて申し訳ない」と謝罪を繰り返した。

プレーオフ2回戦進出を逃し、肩を落とす大宮イレブン

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◆J1参入プレーオフ

 今季から規定が変更され、J2の3~6位の4チームに、J116位の1チームを加えた変則トーナメントで実施される。4位の町田はJ1ライセンスがないため参加できず、5位の大宮に勝った東京Vは2回戦(12月2日、ニッパツ)で3位の横浜FCと対戦し、勝者がJ1参入決定戦(同8日、会場未定)でJ1の16位と対戦する。

 

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