社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所

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休日を出勤日に変更するには?


2012年12月20日  投稿者:社会保険労務士 内海 正人


おはようございます、カリスマ社会保険労務士の内海です。

いつもありがとうございます。

 

今回は「休日を出勤日に変更するには?」を解説します。


今年もあと11日で、週末は天皇誕生日と振替休日もあり、

稼働日が少なくバタバタしている方が数多くいらっしゃいます。


そんな中、次のご質問をお受けしました。

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6年前、業績が良かったので、12/25をクリスマス休日としました。

しかし、その後に景気も悪くなったので、これを辞めたいのですが、

就業規則を変えるだけで問題ないでしょうか?
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通常の祝日以外に会社独自の休日(創立記念日など)を作り、

運用している会社も中にはあります。


この会社も業績が好調の時に休日を増やし、

「社員にクリスマス休暇を与えて、喜んでもらいたかった」

ということでした。


しかし、3年前のリーマンショック後は景気が悪化してしまい、

年末に休んでいられる状況ではなくなったのです。


そこで「もともとの出勤日を休みにしただけなので、元に戻したい」

ということになったのです。


果たして就業規則を変えればOKなのでしょうか?


これに関して参考となる裁判があります。


<フェデラルエクスプレスコーポレーション事件、東京地裁、

平成24年3月21日>


〇 メーデー(5/1)、クリスマス(12/25)、12/30、

  社員の誕生日を休みとしていた

〇 会社の業績が落ち込んできたので、就業規則を変更し、

  この4日間を出勤日に変えた

〇 社員から不満が起こり、裁判に発展した


そして、裁判所の判断は以下となったのです。


〇 休日の変更は社員にとって不利益変更となる

〇 休日を削減するだけで、代替措置もとられていない

〇 年間の労働時間が29時間増加することは約2%の賃金カットと同じ

〇 就業規則の変更は無効


これにより会社が負けたのです。

 

判決のポイントは

〇 労働条件の変更の必要性

→ 業績悪化は認められても、休日をやめてまで社員に不利益をかぶせる

  必要性まではない


〇 会社と社員間での話し合いが十分ではない

→ もっと時間をかけて、話し合いをすべきであった


〇 代替措置もとられていない

→ 単に労働時間が増えるだけ

ということになります。


休日を出勤日にすることは法的にみても

「もともとは出勤日だから、元にもどす」というレベルの話ではないのです。


しかし、そうはいっても、業績が落ち込んでおり、

休日を出勤日に戻したい場合もあるので、この場合はどうすべきかを

具体的にみてみましょう。


1、全社員を対象とした社員説明会を実施し、変更する必要性を伝える

2、会社と社員代表(労働組合等)と話し合いを持つ

3、代替措置の検討

→ 例:出勤日増加に伴う賃金アップ、別途の休日制度の設定

4、就業規則の変更

→ 十分な議論後に決定し、労働基準監督署に届け出


もし、このようなステップを踏まず、

就業規則だけを変えても無効となる可能性が高くなります。


しかし、冒頭の事例と同じで「元に戻す」程度にしか、

考えていらっしゃらない社長さんも沢山います。


ただ、これは「不利益変更」であり、

いつ火を吹くかわからない状態となっているのです・・・。


休日を増やすことは簡単ですが、

これを減らすことは大変なことなのです。


今日は休日をテーマに取り上げましたが、

この内容は休日に限った話ではありません。


社員の労働条件を下げる場合は

【どんな場合でも】法的なハードルがいくつもあるのです。


しかし、そこまでの認識がなく(特に前の制度に戻す場合)、

安易に話を進め、トラブルになるケースが増えています。


また、「昔の社員はそんなことを言わなかった」と

おっしゃる社長さんもいますが、それは通用しません・・・。


法律は法律なので、会社の実情に合わせて変更するならば、

しかるべき手続きが必要なのです。  


ここはしっかり覚えておいて頂ければと思います。

 

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ご注意ください。

 

■編集後記


昨日、アマゾンからタブレットPC、キンドルFire HDが届きました。


早速、手に取ってみると前面にボタンらしきものがなく、

電源スイッチをみつけるのに一苦労でした(笑)。


結局、側面の小さなスイッチが電源でした。


複雑な操作もなく、「使いやすい」というのが感想です。


これからはこれ1つで何冊分もの本を持ち歩けると思うとわくわくします。


今から予約してもクリスマスプレゼントに間に合いそうですよ!


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