河野外相、一帯一路に苦言 「複数国が借金漬け」

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中国・台湾
2018/11/23 23:02
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【ローマ=共同】河野太郎外相は23日(日本時間同)、イタリア・ローマで開かれた国際会議「地中海対話」に出席し、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を取り上げ、苦言を呈した。「いくつかの国は『借金漬け』に陥っている。その国の成長を手助けしているとは思えない」と英語で訴えた。

ローマで開かれた国際会議「地中海対話」に出席した河野外相(23日)=共同

ローマで開かれた国際会議「地中海対話」に出席した河野外相(23日)=共同

一帯一路に携わった発展途上国が債務不履行に陥り、完成したインフラを中国に譲渡するリスクを念頭に置いた発言。一方で「プロジェクトが透明性、開放性、受け入れ国の財政健全性といった国際基準を満たすなら、喜んで中国に協力する」とも述べた。

欧州や中東、北アフリカといった地中海の周辺国が主に参加する地中海対話に、日本の外相が出席したのは初めて。欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の発効を来年2月に控え、関係国との結び付きを強める狙いがある。

会議で河野氏は、地中海諸国とインド太平洋地域による幅広い協力を呼び掛けた。地域の平和と繁栄に日本が積極的に貢献するとした「自由で開かれたインド太平洋」に言及し、理解を求めた。

安全保障面では、アフリカ東部ソマリア沖アデン湾での海上自衛隊の護衛艦による海賊対処活動を紹介した上で、地中海諸国との緊密連携に期待感を示した。〔共同〕

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