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【千葉】

少女たちの声に耳を 児童買春の被害など伝える 来月1、2日千葉で企画展

「少女たちが買われるに至るまでの背景に目を向けてもらいたい」と話す仁藤夢乃さん=東京都内で

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 かつて児童買春の被害に遭うなどした少女たちの声を伝える企画展「私たちは『買われた』展in千葉」が12月1、2の両日、千葉市文化センターで開かれる。居場所がなく、大人から性暴力を受け、搾取された少女たち。企画した団体は「被害に遭うまでの背景に目を向けて」と呼び掛ける。 (太田理英子)

 居場所のない若い女性たちを支援する一般社団法人「Colabo(コラボ)」(東京都)と、コラボとつながる少女らのグループが各地で巡回している企画展。二〇一六年以降、都内や広島、神奈川県など十一カ所で開かれ、千葉県では初めての開催となる。十四~二十六歳の女性二十八人が児童買春や性暴力被害の過去を語ったパネルや、一人で過ごした場所のイメージ写真など約七十点を展示する。

 「行くところがないとき、声をかけてくれるのは男の人だけだった」「男性は私を道具としてしか見なかった」。会場には、行き場も助けを求める先もなかった当事者の悲痛な叫びが響く。

 「体を差し出す代わりにおにぎり一つもらった」と記したのは、虐待を受けて家出した十五歳の少女。空腹で困っている時に路上で声を掛けてきた男は、コンビニでおにぎりを買ってくれたが自宅に連れ込まれ、抵抗できずに性暴力被害を受けたという。

 コラボ代表の仁藤夢乃さん(28)によると、コラボが支援してきた少女らの多くは、虐待などの理由で家庭や学校で過ごせない事情を抱える。そうした少女らに大人が親切に食べ物や居場所を与えるふりをして近づき、女子高生に接客などをさせる「JKビジネス」に誘導したり、性暴力を振るったりするという。最近は会員制交流サイト(SNS)を通じて家出少女に接触する大人も多く、人目に付かない場で危険に巻き込まれるケースもある。

 少女らは、被害に遭っても「自分が悪い」との思いや大人への不信感から、誰にも相談できないことが多い。仁藤さんは「居場所のない子どもが駆け込み、安全に過ごせる場所が必要。自己責任論にせず、少女たちが買われるに至るまでの背景や買う側の存在、取り込む手口を知ってほしい」と訴える。

 企画展は一日午前十時~午後八時、二日午前十時~午後四時。入場料は一般千五百円(前売り千三百円)、高校生以下無料。問い合わせは千葉の主催団体「シェアスル」=電090(5552)6445=へ。

 

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