<ざっくり言うと>
  • 「特攻隊がいたから今の平和がある」という考え方が、今の平和を壊す。
  • 今の平和があるのは、特攻隊がいたからではなく、特攻隊を送り出すような狂った国家が潰れたから。
  • 特攻隊の死を無駄と認めることが、特攻隊の死を無駄にしない唯一の方法である。

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教育勅語とか、安田純平氏の「自己責任」論だとか、書きたかったことはたくさんあるんですが、たまたまこんなツイートが目に飛び込んできたので書きます。ネトウヨの代表格DAPPIが、ネトウヨの代表番組虎ノ門ニュースをツイートしています。

「特攻隊がいたからこそ今の平和がある」とか、もうこの使い古された特攻隊美化論はいい加減にしてもらいたいです。


特攻に向かった人たちの気持ちについては、「本当は嫌だったはずだ」とか「心の底から日本のために死のうと思っていた」とか、我々が推測しても水掛け論になるだけでしょう。私の場合は、もし彼らが本当に「心の底から日本のために死のうと思っていた」としたら、それは美化するべき話ではなく、「恐ろしき洗脳教育」と考えますが。


それはそうと、特攻隊がいたから今の平和があるとは、どういうことなのでしょう? 特攻隊がいなかったら、今の平和はないのでしょうか? 特攻隊が米国に大打撃を与え、日本が戦争に勝利することで平和が得られたのならそういうことを言う人がいておかしくないでしょうが、実際には特攻隊による米国の被害は微々たるものでしたし、日本は戦争に負けたのですから、特攻隊のおかげで今の平和がある、特攻隊が無かったら今の平和がない、なんてことは原因と結果の結びつきが全くおかしいですね。


いまだに特攻隊を美化し、「特攻隊の人たちのおかげで今の平和がある」と思っている一部のバカにはっきりと言っておきたいと思います。


今の日本が平和なのは、若者を特攻隊に送り出すような、大日本帝国という狂った国家が潰れたからです。特攻隊員のお陰で日本が平和なのではなく、特攻隊員を送り出すような組織、国がなくなったから、平和なのです。そこんところ勘違いしてはいけません。


志方俊之は、特攻隊の精神が今の航空自衛隊に受け継がれているとか言って、それをDAPPIも称賛してメディアや学校は伝えろとか言ってますが、こいつらの脳内だと、今の自衛隊は、戦争が起きたら特攻隊を組織して送り出すんですかね? 誇ることじゃなくて、危険なことだと思うですが…。


DAPPIや井上和彦(注:声優ではない!)や志方俊之は、特攻隊は無駄死にではないと言いますが、特攻隊を「無駄死にではない」「意味があった」「彼らのお陰で今の平和がある」などと言う人は、同じことを繰り返すでしょう。だって、無駄ではなく、意味があって、そのおかげで平和になったんだとすれば、何度でもそれを繰り返しますよ。そうやって再び戦争がはじまるんでしょうね。


特攻隊の死を無駄にしないためには、彼等の死が無駄死にだと認めることです。彼らの死が無駄死にだと認めるからこそ、二度とそんなことは引き起こさないという決意が生まれ、非戦に向かえるのです。逆説的ですが、彼等の死を無駄と認めることが、彼等の死を無駄にしない唯一の方法なのです。


「特攻隊がいたから今の平和がある」


こんなことを言う奴が、今の平和を壊すのです。気をつけましょう。
 
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