映像業界用語では食べ物などのことを「消え物」という。
食べたら消えてなくなるからだ。

で、だいたい冷めている場合が多い。
このCMも冷めている。

冷めていなければならない場合もある。
熱すぎてはリアクションや芝居に影響するからだ。

でもいちいち作り直せない場合もある。
特にラーメンはバレる。
明らかに延び切って汁を吸いすぎたラーメンを、必死に汁がある体で食べるというシーンは結構ある。
ああ、頑張ってるなぁと思って観ている。

『私の優しくない先輩』の時は、作るシーンはあっても食べるシーンはなかったので、その辺の苦労はなかった。
ただ当時は僕もたこ焼きの正しい焼き方を知らなかったので、あれ?こうだっけ?とスタッフみんなで途方に暮れてたら、小川菜摘さんが「こうよ!」と手本を示してくれた。
しかしスタッフで大量生産したアレ、食えたものではなかったろう。


食べ物のシーンは注目した方がいいぞ!
結構残念なことになっていることも多いから。