【芸能・社会】高麗屋三代同時襲名興行きょう千秋楽 史上初親子孫共演の「勧進帳」が話題2018年11月25日 紙面から
二代目松本白鸚(76)、十代目松本幸四郎(45)、八代目市川染五郎(13)の高麗屋三代同時襲名披露興行が25日、京都南座で千秋楽を迎える。 1、2月の東京・歌舞伎座から始まった襲名興行は、名古屋・御園座、福岡・博多座、大阪松竹座と回り、南座で大劇場での興行にピリオドを打つ。新装開場した南座では、恒例の顔見世と重なって、いつにも増して劇場内外が華やいでいる。 襲名の演目の中でも、大きな話題になっているのが、「勧進帳」の弁慶、富樫、義経の主要三役を歌舞伎史上初めてとなる親子孫共演だ。 自身4度目となる弁慶役の幸四郎は、声の調子が一段と上がり、上々の演じぶり。今回初めて、“延年の舞”の後に“滝流し”の振りを取り入れた。最終盤の体力的にきつい部分での華麗な舞に、拍手が湧く。 これに対して「舞台に上がれば勝負」という富樫の白鸚は、情の演技を見せる。1月に父の弁慶で義経を初めて務めた染五郎は、さらに祖父が富樫とあって「人生最大の緊張を感じながら」懸命の演技。品をたたえた義経に、「立派」との声があがっている。 また、幸四郎・染五郎による初めての「連獅子」は、序破急に優れ、こちらも大当たりだ。 大劇場での襲名披露は、25日で打ち上げ。来年春から夏にかけて地方巡業を行う。 ◆仁左衛門も来月親子孫三代共演2カ月連続で顔見世興行を行う南座では、来月も親子孫三代共演が実現する。夜の部「義経千本桜」で片岡仁左衛門(74)がいがみの権太、長男の片岡孝太郎(50)が若葉の内侍、孫の片岡千之助(18)が主馬小金吾を演じる。千之助が子役時代に三代で同じ舞台に立ったことはあるが、主要な役では初。12月1~26日。
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