3輪、4輪のコミューターを専門に手がけるイタリアのQuadro(クアドロ)は、クロスオーバー・コンセプトの『XQOODER(エックスクーデル)』を公開した。これは新しいカテゴリーの4輪スポーツモデルを提案するものだ。
クアドロでは3輪の『QV3』と、以前は『クアドロ4』と呼ばれていた 4輪の『QOODER(クーデル)』を販売しているが、いずれも「多輪スクーター」と呼ぶべきデザインで、どちらかといえばシティコミューター、ビジネスパーソンの通勤快速モデルというイメージが強かった。
いっぽうエックスクーデルはクーデルと同じ「モジュラー・アーキテクチャー」を採用しつつ、エンデューロモデルのようなスポーツ性を前面に打ち出している。メーカーでは「高い安全性、敏捷性、安定性を保ちながら、ダートでも楽しい運転感覚を増幅する」と説明している。400cc単気筒エンジンを搭載し、後輪はCVTから左右それぞれに駆動力が伝達される。
モーターサイクル用エンジンを搭載する4輪オフロードモデルといえばATVがあり、多くの2輪メーカーがラインナップしている。しかしATVとエックスクーデルが大きく異なるのは、エックスクーデルは全幅がスクーターなみに抑えられ、さらに車体をリーンさせてモーターサイクル感覚で運転できるということだ。それでいて安定性や路面追従性は2輪よりも高いことも魅力といえる。
エックスクーデルの基本骨格はクーデルとほぼ同じだが、そのレイアウトやスタイリングはやや異なる。最大の違いは、ガソリンタンクがシート下からシート前方に移されていること。これによって重量配分を改めてマスの中心化を図りつつ、シートも前後に長いものにすることで、ライダーが体重移動によってコントロールできる領域を増やしている。また見た目もスクーターらしいものからモーターサイクルらしいものに改まった。
クアドロでは、このコンセプトモデルをベースとするスポーツモデルを、2019年に発売する意向を表明している。なおクアドロではこのほか、より軽量な車体とシンプルなスタイリングでカジュアルさを強調した300ccのシティコミューター『NUVION(ヌヴィオン)』を公開している。