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割れ方 〔戻 る〕
鉱物を構成する原子の配列(原子配列(結晶構造))において,原子同士の結合力の弱い部分に 沿って割れる性質をへき開といい,それによって割れた面は比較的平滑で,その 面をへき開面と いう。 方解石がへき開に沿って割れる様子 方解石は割るとへき開に沿っ て菱形の面を持つ6面体状に割れる。 一方,へき開以外の 方向に割れた面は非常にでこぼこしており,断口と いう。 鉱物の同定には,へき開面の平滑さ・方向・角度,および,断口の状態が役立つことが多い。他には結晶内 部の不完全性に起因する平面的な割れ方もあり,それを裂開という。 ------------------------------------------------------------------------------------ 白 雲母の原子配列とへき開の方向 白雲母では桃色で示したカリウム原子の配 列している部分が結合力が弱く,そこに 沿ってうすくはがれるように割れていく。へき開はこのように原子同士の結合力が弱い方向に沿って平面的に割れる性質である。 ------------------------------------------------------------------------------------
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断口は原子同士の結びつきが強い方向を無理やり破断させた面なので,起伏 に富み平面性が認められない。その形状から,貝殻状断口,多片状断口,針 状断口などと呼ばれるが,全く不規則で特徴のないものも多い。 ※なお,緻密な多結晶集合体の塊(例:緻密な方解石の石灰岩,緻密な石英の碧玉・めのう)も不規則に割れるが,この破断面は原子配列とは無関係な割れ方な ので断 口とはいわない。 | ||
貝殻状断口の例(石英) | 多片状断口の例(雲母類) | 針状断口の例(銅塊をねじったもの) これはいわゆる「金属疲労」で割れた面で,金属結晶の破断面に見られる。 |
へき開以外で鉱物が平滑に割れることがあり,それを裂開とい う。裂開は結晶の双晶境界・離溶境界のひずみによる脆弱性,結晶成長時に生じた微細な包有物(不純物)の平面的 配列など に起因する。 | |
方 解石の裂開 → (0 1 -1 2)の集片双晶の双晶面に沿う裂開。 |