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【大相撲】

貴景勝、初V王手 きょう高安と直接対決、勝って決める

2018年11月24日 紙面から

碧山を下し、土俵上で大きく息を吐く貴景勝(左)(宮下雅太郎撮影)

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◇九州場所<13日目>

(23日・福岡国際センター)

 小結貴景勝(22)=千賀ノ浦=は碧山を押し倒しで退け、1敗で単独トップを守った。1差で追う大関高安(28)=田子ノ浦=は大栄翔を下した。14日目に貴景勝が高安を破れば、初優勝が決まる。大関栃ノ心は貴ノ岩に腰砕けがあって7勝目。3敗は平幕の隠岐の海だけになった。

 どんな体勢になろうとも、貴景勝は突くのをやめなかった。碧山につかまりそうになっても、そう。

 「小学校から突き押ししかやってないんで。それしかできないんで。それを徹底するということです」。自分を信じて碧山に魂を込めた突き、押しを打ち込む。197キロの巨体は右膝からガクリと崩れ落ちていった。

 「気持ちで。パワーも経験もすべて負けてるので。自分の力を出し切れたらと」

 そう言うとすぐに気持ちを14日目の大一番に向けた。勝てば初優勝が決まる高安戦。「まあ、高ぶりがあるのは当たり前なんで。自分と向き合っていきたい」。自分の弱さを知り、日々、自問自答しながら鍛錬してきた結果がそこに待つ。

 「(大相撲に)入ってすぐはめっちゃ緊張していた。(緊張に)弱かった。幕下のときは2回優勝を逃した。でも、何でああいう相撲を取ったんだろうと考えるようになって。発想を転換してから緊張しなくなった」という。

 どのように転換したのか。「負けてもこういう攻めをしてた、自分の中で出し切ったものがあるならば、いい経験ができたので納得がいく」と常に思えるよう心を磨き上げてきた。

 先代師匠の元貴乃花親方からも、こう言われてきた。「普段の生活のことも言われた。イスの座り方、物の取り方とかすべてが相撲につながっていると」。入門からまだ4年。22歳の若者がここまでの考えを持つには私生活から思慮に思慮を重ねてきたに違いない。

 迎える大一番。「勝ちたい気持ちより先に、やることがあるんで」。貴景勝が対峙(たいじ)するのは高安ではなく、自分なのだろう。 (岸本隆)

 ▽八角理事長 (元横綱北勝海)「貴景勝は最後まで足腰が崩れず、冷静に取った。押しの圧力が増し、急激に強くなった印象だ。高安は大関としていい仕事をした。14日目は立ち合いの当たり次第。貴景勝は負けても一緒(相星)になると開き直っていくだろう」

 

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