いつものテーマです。初めての方はテーマ「もう一つの事実」より古い順にお読みください。
-------------------
私が祝福を担当して間もない頃の話です。マッチングの翌々日、男性側に断られ、泣き止まない姉妹をケアしていたところ、話を聞きつけたお父さんが血相を変えてスタッフ室に飛び込んで来られました。娘をもつ父親としては、気が気でなかったのでしょう。ところが、私を見るなり、こう言われたのです。「あんたが主体者かー!」 完全に私のことを「娘を泣かせた張本人」だと勘違いしているお父さんを前に、冷や汗をかきながら、事情を説明したことを覚えています(汗)
身に覚えのないことで誤解を受けた時、冷静でいることはなかなか難しいものです。相手が激昂していれば尚更でしょうし、「善意」で為したことが誤解されれば、それこそ切なくもなるでしょう。本部で仕事をしていると、言わば「伝言ゲーム」のように、こちらの発言がどこかで「違った話」として伝わり、「そんなこと、言ったんですかー!」となったり、現場の担当者が当事者を説得するのに、「まぁ、本部の指示ですから~」と伝えてしまう等、ちょっとした「濡れ衣」を着せられてしまうこともありました(汗)
そんな時は、身に覚えがなくても、責任の一端を認めて謝罪すべきか、或いは、あくまで事実を主張して誤解を正すか、迷うこともありました。下手に事実でないことを認めてしまうと、本部の責任問題にもなり得るからです。その点、事実は事実、誤解は誤解と、はっきりさせることも大切でしょう。
ちなみに、顕進様は小さい頃から「弁明」をしない方だったといいます。少年時代、お父様が別の子女様のやったことを顕進様の仕業と思い込み、叱りつけてしまった時も、口答えせずに、罰を受けられたそうです。後日、事実を知ったお父様から、「なぜ弁明しなかったのか」と聞かれたそうですが、顕進様は、事実なら、弁明しなくともいずれ分かる、と、そう考えておられたようです。しかし、一つの認識の誤りが「全体の責任問題」や「天の摂理」にかかってくるとなると、話は別でしょう。自分一人が誤解され、処罰を受けて済む問題ではなくなるからです。この辺りに、かの「束草」(ソッチョ)での出来事を読み解く、一つの鍵があるように思います。
2009年3月、お父様は束草に子女様方を集め、重要な決定事項を語られました。一つは「子女様に関する役割分担」について。一言で言えば、「亨進様が全組織の中心に立つ」ことの発表であり、もう一つは「顕進様に対する職務停止」の指示でした。また当時、周囲からは、顕進様がこうした指示内容に憤慨し、会場を出て行かれたとも聞きました。ただ、後で知ってみると、その一連の出来事は、あたかも、李舜臣(イスンシン)将軍が受けた「白衣従軍」(はくいじゅうぐん)の処分のようでもありました。
李舜臣と言えば、李氏朝鮮時代、秀吉による朝鮮出兵の際に、水軍を率いてこれと戦い、国を守ったことで知られます。しかし、彼は最初の海戦で大きな戦果を挙げた直後に、王の誤解と政敵の陰謀により「濡れ衣」を着せられ、全ての職位を剥奪されて、「一兵卒」の立場に落とされるのです。これを「白衣従軍」と言います。後に「束草事件」と呼ばれた出来事にも、これに似た、穏やかでない背景があったように思えるのです。
まず、当時の責任者によって読み上げられた「子女様の役割分担」に関する指示事項ですが、お父様はこれを「最後の訓令」と言われ、その内容は「訓母様を通して与えられた霊界メッセージだ」とされました。これが物議を醸します。何故なら、当の訓母様が「私はその文書に関わっていない」と言われたからです
また、これを読み上げた責任者は、後日、「直前に読み上げた孝進様の書簡だけが霊界メッセージであって、かの文書はお父様が事前に指示した内容を本人が書き留めたことだ」と釈明しますが、それがさらなる疑惑を呼びました。当時の御言を読み返せば、お父様がこの文書を、霊界メッセージだと「信じて」語っておられることは明らかだからです。
さらに、その頃、とても気になる噂が流れました。それは「顕進様が脱線した」というものです。