2018年10月17日(水)
360.life編集部/Test by 家電批評編集部
奮発は正解だった? バルミューダ「The Toaster」3年後の本音
「世界一のトーストが焼けるトースター」。そのコンセプトの元、2015年に話題となったバルミューダ「The Toaster」。2万円を超える価格ながら、今までにない食感の焼き上がりやデザイン性の良さなどを理由に、完売・品薄となるほどの人気でした。あれから3年、全15製品で比較した現在の評価をご紹介します。
▼本記事の監修および取材協力はコチラ
家電批評
創刊9年を迎える家電専門誌。スマホ、イヤホンなどのガジェットから、テレビや冷蔵庫などの大型家電まで、実際にテストしてレビューする本格テスト雑誌。
創刊9年を迎える家電専門誌。スマホ、イヤホンなどのガジェットから、テレビや冷蔵庫などの大型家電まで、実際にテストしてレビューする本格テスト雑誌。
風間章子 氏
料理家。調理師。イタリアンレストランで6年間修行の後、カフェの立ち上げ、雑誌やwebなど様々なメディアにて料理監修で活躍中。
料理家。調理師。イタリアンレストランで6年間修行の後、カフェの立ち上げ、雑誌やwebなど様々なメディアにて料理監修で活躍中。
さわけん 氏
辻調理師専門学校フランス校卒業。フランスの二ツ星(当時)ムーランドムージャンなどに勤務経験のある本格派。その後、イタリアンカフェのシェフを経て料理研究家に転身し世界の料理を研究。
辻調理師専門学校フランス校卒業。フランスの二ツ星(当時)ムーランドムージャンなどに勤務経験のある本格派。その後、イタリアンカフェのシェフを経て料理研究家に転身し世界の料理を研究。
-
-
“逆”価格破壊を得意とする バルミューダ代表作のひとつ
バルミューダ 扇風機「GreenFan」2010年発売
激安・コスパ思考が進む家電業界で、バルミューダが得意とするのは製品ジャンルの価値そのものを向上させるようなモノづくりです。3万円を超える高級扇風機「GreenFan」に代表されるような、生活家電の新しい価値を創作してきました。 「The Toaster」もそのひとつ。毎日の朝食がワンランクアップするという体験に、価格以上の魅力を見出したことで、トースターにしては高価格な製品ながら、想像以上のヒットとなりました。
「The Toaster」は20万台を超える大ヒット商品に。
毎度5ccの水をトースターの上部にある吸水口に投入して焼くというのが特徴的。水蒸気でパンの表面に膜が張られて、サクッとしっとり感を長持ちさせてくれる仕組みです。 安い食パンでも、まさにホテルの朝食かのような「ふわサク」感が、当時はまさに革命的。弊社のテストでも高評価を連発しました。
-
-
「The Toaster」のヒットは 多くのライバルも生み出しました
扇風機「GreenFan」が省エネDCモーター製品ラッシュの火付け役となったように、「The Toaster」の登場で数多くの高級トースターが登場しました。デザイン性にも凝った商品が多く、ユーザーとしては選択肢が広がった形です。そんな中、本家バルミューダは大きなバージョンアップをすることなく、当初のコンセプトを発売3年たった今も貫いています。
果たして3年後の今でもその実力は揺るぎないものなのか、全15製品で比較した最新テストの結果をご紹介します。
最新トースター実食テストのホンネ評価を公開。
-
-
2018年もその実力、申し分なし。 唯一無二のサクモチ食感です
バルミューダ BALMUDA The Toaster K01E-WS 実勢価格:2万2500円 サイズ・重量: 本体寸法:H209×W357×D321mm 庫内寸法:H178×W274×D204mm・約4.3kg 電源:AC100V 50Hz/60Hz 定格消費電力:1300W 電源コード長さ:1m 同梱物:焼きアミ、取扱説明書(保証書付き)、ガイドブック、5ccカップ、注意チラシ
2018年最新のテストでも、The Toasterは15製品中1位の評価となりました。ここからはその理由を解説していきます。 まず最大の特徴であるサクモチ食感の秘密は、焼く前に注水する5ccの水にあります。
5ccの水が水蒸気となって、パンの表面に薄い水分の膜を張ります。すると、表面サクサクで中はモチモチなトーストになります。焼くたびに注水するのは面倒と思いがちですが、一度味わえば「水を入れないほうが不安」になるほど。
-
-
パンの品質に依存しない 焼き上がり勝負が魅力です
安いパンでも極上の味に仕上がるのが魅力のバルミューダ、最初のひと口は感動を憶えるレベルです。他のトースターとは一線を画するバツグンのサックリ感ながら、中心部は糸をひくようなフワモチ。歯が吸い込まれていく食感は最高です。 ただ、これは好みが分かれるところ。バルミューダはサクッと感が強めなので、モッチリ感に関しては、対抗馬とされるヘルシオグリエのほうが上という意見もありました。実際、トースト後の水分の減少量はバルミューダが7.9%に対し、ヘルシオは7.6%。わずかですがヘルシオのほうが水分保持料が高い結果となりました。 「サク」が強めのバルミューダ、その理由は焼き上げる最後の1分にあります。
加熱は「庫内を水蒸気で満たす」→「徐々に加熱してパン内部に火を通す」→「最後の1分弱で一気に加熱して表面を焼き上げる」という3ステップ。最後の1分弱の「焼目付けタイム」が短時間かつ熱量が強いので、表面及び内部のサクサク感がアップするんです。 もうちょっと焼き目をつけたいという場合は、クラッシックモードに切り替えましょう。このモード切替という一手間が必要なんですが、説明書の表記が小さくてややわかりにくい……。ただ、焼いている間に庫内が見やすいのはポイント高いです。
-
-
冷凍パンやクロワッサンもOK 甘みと香りが増します
冷凍パンは冷凍によって水分量が減っていて、トーストするとパサパサしがち。でもバルミューダなら美味しく焼けるんです。パンを冷凍のままトースターに入れ、運転モードをセットして焼くこと4分40秒。すると焼き色は最高、表面はサクサクととても香ばしく焼き上がります。もちろんパサつくこともなく、甘みと酵母の香りが感じられる美味しいトーストです。 クロワッサンはどうでしょう?
[左]一般的なトースター [右]バルミューダ
左の一般的なトースターでは焦げてしまいましたが、クロワッサンモードで焼いた右のバルミューダでは美味しそうな色になりました。食感はというと、外側はやや硬めのサクサクで、中はむっちりとしたパイのような層を感じることができます。焼き上がってから数分庫内に放置すると、余分な水分が抜けてさらに美味しくなるようです。
-
-
誰にでも使いやすいデザイン。 シンプルでいて見た目も良い
初めてでも直感的にわかる使いやすさも人気の理由のひとつ。2017年春にダイヤル表記がワット数から温度表示に変わり、調理がしやすくなりました。 庫内は食パン2枚が隙間なくピッタリ入る大きさで、パンを置く位置に迷う余地なし。パンの厚みや大きさが変わっても、注水量は5ccのまま変わりません。あとはダイヤルをトーストモードに合わせ、時間を設定するだけ。 連続して焼いても、焦げることはありませんでした。
タイマーを4分40秒にセットし、3回連続で焼いてみました。2回目の裏側に多少焼きムラができたものの、1回目と3回目の焼き色はほぼ一緒。これはかなり優秀です。
-
-
掃除の手間は発売当初より 改善されているポイントです
パンくずトレーは2017年に改良され、下にパンくずがこぼれにくい形状になりました。割と引き出しやすいので、お掃除も楽ちんです。
ちなみに給水口はお手入れ必須。 お手入れをしないと水垢が残るので要注意です。
-
-
今でも世界一のトースト、 3年前の奮発は正解でした。
どんなに良い製品でも、3年たてば最前線とは言えないことが多い家電製品。そんな中、このバルミューダは変わらぬ実力の名機と言えるでしょう。「世界一のトースター」ではなく、「世界一のトーストが焼けるトースター」という開発コンセプトはまさにお見事。もし、世界一のトースターであったなら、3年と言わず1年で、新機能を搭載した他社製品に打ち負けていたかもしれません。商品ではなく体験を作ることに成功したバルミューダの「The Toaster」は、3年後の今もホンネのNo.1でした。
360.life(サンロクマルドットライフ)は、テストするモノ誌『MONOQLO』、『LDK』、『家電批評』から誕生したテストする買い物ガイドです。広告ではない、ガチでテストした情報を毎日お届けしています。
こちらのコンテンツに登場する商品
-
- BALMUDA The Toaster K01E-WS
- バルミューダ
- ¥20,353
-
オススメのコンテンツ