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【芸能・社会】

津川雅彦さんと朝丘雪路さんの合同葬 ファンら約1100人が参列

2018年11月22日 紙面から

4000本の花々とともに津川雅彦さんと朝丘雪路さんの遺影が飾られた祭壇=東京・青山葬儀所で

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 幅広い役で存在感を示し、8月に78歳で亡くなった俳優津川雅彦さんと俳優や歌手などとして活躍し4月に82歳で亡くなった妻の朝丘雪路さんの「合同葬お別れの会」が21日、東京・青山葬儀所で営まれ、芸能関係者をはじめ、親交があった安倍晋三首相(64)やファンら約1100人が参列した。

 祭壇はユリやカーネーションなど、色鮮やかな4000本の花々でにぎやかに飾られた。「葬儀はパーティーのように盛大にやってくれ」。津川さんが遺言のように口にしていた言葉をくんで、長女の女優真由子(44)がしつらえたものだった。

 寄り添うように置かれた、オシドリ夫婦のにこやかな笑顔の遺影が参列者を迎えた。津川さんと40年以上の親交があった俳優奥田瑛二(68)は友人代表として弔辞を読み、「楽しいこともありましたが、大げんかしたこともありました」と切り出した。ゴルフ場で津川さんから「青二才!」と一喝されてから、ゴルフを止めたというエピソードなどを披露。「僕は98才まで生きるつもりです。30年後にまたゴルフをしましょう」と呼び掛けた。

 そして、津川さんが残した「この世はワンダー(不思議)がフルなんだよ。生きることがワンダフル。そういう人生が最高だ」との言葉を紹介し、「(津川さんを)心に焼き付けて過ごしていきたい」と話した。

 また、恋人や同僚役などで共演した黒柳徹子(85)は、津川さん夫妻の新婚当時のほほ笑ましいエピソードを紹介しながら「もっともっと雅彦ちゃんの年を取った芝居を見たかった。本人もきっと残念がっているでしょう。長い間、お友だちでいてくれて本当にありがとう」などとしのんだ。

 津川さん夫妻は1973年に結婚。津川さんは朝丘さんの後を追うように、朝丘さんの百カ日法要の日に亡くなった。喪主を務めた真由子は「後追いするほど仲が良かったのかな、と思いますけど…」と笑わせながら、「パーティーはできなかったけど、2人の人生の千秋楽を、大向こう(掛け声)と拍手で見送ってあげてください」。そう参列者に呼び掛けると、会場のあちこちから、「津川!」「朝丘!」「ご両人!」の掛け声が上がった。 

◆五木感謝の弔辞

 歌手の五木ひろし(70)も弔辞を読み、「朝丘さんとは何度も劇場公演で共演し、さまざまなことを学ばせていただいた。芸の深さ、美しさは超一流でした。津川さんと3人で食事をしたこともありました。津川さんは、私の記事を集めて送ってくださったり、気にしていただき、心やさしい津川さんに感動していました。朝丘さんの後を追うように亡くなり、愛情の深さにまた感動しております」などと語った。 

弔問に訪れた黒木瞳

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◆黒木瞳「お元気そうだったのに」

 参列した黒木瞳(58)は朝丘さんと同じ宝塚出身で、20、30代のころには津川さんと同じ事務所に所属していた。朝丘さんとの思い出は、「(宝塚の)100周年のステージに出ていらっしゃって、お元気そうだったのでびっくりしました」と当時を振り返った。

 一方、津川さんと最後に会ったのは今年1月のドラマ撮影だった。着けていた酸素吸入器を外して撮影に臨んだ津川さんの姿に、「弱ったところを見せないとしたお姿に、役者魂、心意気を最後に見せていただいたと思っています。私たち後輩に姿で教えてくださったと思うと、すごく胸がいっぱいになります。さみしいです」と沈痛な面持ちで語った。

◆安倍首相 ブログから親交スタート

 10年ほど前から津川さんと親交があった安倍晋三首相も参列し、献花の前に別れの言葉を述べた。

 安倍首相は06年から07年までの第一次政権が終わった後、津川さんがブログでエールを送ってくれたことをきっかけに、首相側から津川さんを食事に誘ったのがきっかけで親交がスタートしたことを明かした。

 当時を振り返り、「その時に『しばらく時間がかかるかもしれないけど、もう1回(総理を)やりなよ』と声を掛けてくれました。津川さんの気の置けない仲間たちと話を交わすそういった会を重ねて、私にとっては時がたつのを忘れる至福の時でした」と思い出を語った。津川さんらのバックアップもあって総理に返り咲いただけに、「私も何回も勇気をいただきました」と感謝した。

 また津川さんと朝丘さんとの夫婦関係については「人生も夫婦もいろいろあるんですよ」と言及しつつ「2人で静かにお眠りいただければ。ご冥福をお祈りします」と故人をしのんだ。

故人との思い出を明かす水谷豊(左)と反町隆史=東京都港区の青山葬儀所で(五十嵐文人撮影)

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◆水谷豊&反町隆史「現場明るくしてくれた」

 津川さんと人気ドラマシリーズ「相棒」で共演した水谷豊(66)と反町隆史(44)が会場にそろって訪れ、囲み取材に応じた。

 ドラマ共演などで20歳くらいから津川さんと朝丘さんを知っているという水谷。撮影現場での津川さんについて「津川さんはいつも現場を明るくしてくれる先輩。とてもいい現場にいさせていただきました」と話した。

 津川さんとの食事会にも招待されたという反町は「食事をしながら、いろいろなことを教えていただきました」と思い出を振り返った。

 この日のお別れ会について水谷は「お別れした気がしないです。拍手して送り、音楽がかかっていて…」と実感がわかない様子。反町は「娘さんのお父さん、お母さんへの思いを聞いて、涙が出て言葉が詰まる思いでした」と語った。

 【主な参列者】安倍晋三首相、笹野高史、五木ひろし、黒柳徹子、奥田瑛二、安藤和津、安藤桃子、水谷豊、反町隆史、西岡徳馬、佐藤浩市、中井貴一、岸部一徳、向井理、松崎しげる、浅丘ルリ子、堺雅人、渡辺裕之、原日出子、國村隼、渡辺えり、岩下志麻、かたせ梨乃、米倉涼子、藤原紀香、ジュディ・オング、宇崎竜童、阿木燿子、山口もえ、沢村一樹、戸田恵子、黒木瞳、竹内結子、高橋克典、舘ひろし、夏木マリ、東山紀之、若村麻由美、田中健、村上弘明、上川隆也、永島敏行、別所哲也、渡辺大 (順不同)

 

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