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【格闘技】

2度の王者、河野引退 「燃え尽きた。本当に幸せ」

2018年11月23日 紙面から

現役引退を発表した河野(右)と所属ジムの渡辺会長=東京都品川区・ワタナベジムで(藤本敏和撮影)

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 18年間リングに上がり続けたボクシングの元WBAスーパーフライ級王者・河野公平(38)=ワタナベ=が22日、東京都内の所属ジムで現役引退を発表した。2012年12月と14年3月の2度にわたって同級王座を獲得。18年間で46試合(33勝14KO12敗1分け)を経験した。引退式は来年1月12日に東京・後楽園ホールで行われる。

 世界戦を実に10試合も経験した男の引退はやりきったという充実感にあふれていた。「燃え尽きたと思えるまでボクシングをすることができ、本当に幸せです」。河野は爽やかに笑った。この引退会見のちょうど18年前、2000年11月22日にプロデビューした。結果は判定負け。「顔に青タンを作って、翌日は一日中泣いてました」。その後も、世界挑戦に2度連続で失敗、3連敗まで経験するなど何度も挫折を経験したが、そのたびに立ち上がった。

 12年、テーパリット・ゴーキャットジム(タイ)を4回KOで倒し3度目の挑戦でついに世界タイトルを奪取。「世の中にこんなにうれしいことがあるんだと。一番印象深い試合です」と振り返った。初防衛に失敗したあと14年3月に王座を奪還。その後はシカゴで元世界3階級王者・亀田興毅の挑戦を退け、2度目の王座陥落後は「モンスター」井上尚弥(大橋)のWBO王座に挑むなど、強い相手と積極的に戦う姿勢を貫いた。

 最後の試合は5月、敵地オーストラリアで全勝だったモロニー戦。左目上の裂傷で試合続行不可能となり6回終了TKO負けした。「その瞬間、終わりだなと思った。試合後しばらくたっても気持ちも盛り上がってこなかった」

 戦いは終わった。「2度も世界チャンピオンになれて幸せなボクシング人生でした。血管が沸騰するような興奮はもう味わえないが、これからの人生もコツコツやっていきます」。今後については1月の引退式までに決めるという。 (藤本敏和)

 

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