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ウズラのため切り絵の腕磨く 伊那中生5人が展示、販売

販売されている色とりどりの切り絵作品=伊那市の「セジュール」で

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 学校で育てているウズラの飼育費に充てようと、伊那市伊那中学校の特別支援学級の生徒五人が、切り絵で作ったレターセットの一般への販売を始めた。同市荒井の「コミュニティ・カフェ セジュール」で十二月八日まで「ぼくたちの切り絵展」として展示するとともに、販売用の作品も店頭に並べ、訪れた人に協力を呼び掛けている。

 切り絵は生徒の希望で六月に始めた。同市出身の元小学校長で切り絵作家の浦野栄一さんや学校支援員に教わり、腕を磨いた。

 その頃、ある保護者が学校に、卵のふ化器の寄付を申し出た。「生き物を飼いたい」という生徒のため、常勤講師の足助一美さん(62)らが動画サイト「ユーチューブ」で方法を研究。有精鶏卵をかえそうとしたがうまくいかず、通販で取り寄せたウズラの卵で試すと、成功した。雄と雌が生まれたので繁殖にも成功、現在四羽を育てる。

 ただ、飼育には餌代のほか砂浴び用の焼き砂、飼育箱など、意外と費用がかかり、月四千円にも。ちょうど切り絵の腕前も上がっていたので、美術教諭に描いてもらったウズラの絵を基に切り絵の封筒を作り、九月の文化祭で販売。飼育費の一部にできた。

 文化祭での人気ぶりに自信を持った生徒たちは、切り絵にさらに真剣に取り組み、講師らが「一般にも販売できる」と考え、初となる校外での作品展にこぎ着けた。

 外部に出すようになったことで、生徒たちは「より難しいものにチャレンジするようになった」と足助さんは目を細める。ウズラのほかにネコやフクロウ、チョウなどの作品を仕上げ、セジュールでは封筒と便箋のセットを二百五十~五百円で販売している。お年玉などを入れて渡すポチ袋もそろえた。

 足助さんは「器用になっただけでなく集中力が身に付いたことが大きい」と話す。店内で切り絵実演を披露した三年の男子生徒は「カーブや細かい所が難しいけど、楽しい」と一心不乱にカッターで切り進めていた。

 セジュールは月、木、金、土曜の午前十一時~午後五時に開店。(問)セジュール=0265(76)1773

 (阿部雅之)

切り絵で使うカッターを手にする生徒たち=伊那市の「セジュール」で

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