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【記者コラム】

ドラフト指名漏れの2人に幸多かれ 名城大・栗林投手、中部学院大・若山投手

2018年11月12日 18時0分

名城大・栗林投手

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 光あるところに影がある。白土三平が描く漫画を原作にしたアニメ「サスケ」が説いた真理からわれわれは逃れることができない。

 先月25日のプロ野球ドラフト会議。中日がドラフト1位で指名した根尾昂(大阪桐蔭高)のように仲間からの胴上げでお祝いされる選手がいる一方、悔しさいっぱいに唇をかみしめた選手も多いはずだ。

 中部地方の大学生の選手では有力視されていた名城大の栗林良吏投手と中部学院大・若山蒼人投手の名が最後の最後まで呼ばれなかった。相当ショックだったのだろう。後日、栗林に話を聞いてみると、ドラフト当日の心境は「みんなに申し訳ないという気持ちでいっぱいでした」。若山も「あの日は正直、へこみましたね」と苦笑いとともに振り返ってくれた。

中部学院大・若山投手

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 とはいえ、えも言われぬ重圧から解放されたという思いがあるのかもしれない。その証拠に若山は複雑な心境のまま、4年秋のマウンドに登っていたという。「スカウトの目を意識しすぎて、力んでしまって…。心乱れて、あまりいい投球ができなかったんです」。各校のエースといえども、22歳の若者。心中は就活中の同年代の人間とさほど変わらないのだろう。

 2人の野球人生はまだまだ続く。ドラフト会議の結果はあくまで現時点の評価だ。チーム事情というものもあるし、大学から社会人野球に進んだ後で指名されて、プロで活躍する選手も多い。若山が「今はもう、吹っ切れました」と語れば、栗林も「気持ちを切り替えました。これから社会人で頑張ります」と意気込んでいた。

 終着駅は始発駅。2人の野球人生に幸多かれと願わずにはいられない。 (川越亮太)

 

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