さて、オウムでは修行を進めるためにいろいろな手立てがありますが、イニシエーションもそのひとつです。
有名なのはシャクティパットです。
ひたいを尊師がグリグリすると、霊的に進化するということが教団の書物などに書かれておりましてこれにはちょっと憧れました。尊師だけがしていたのが後にマイトレーやさんやヤソーダラさんもやるようになりました。けど、さくらの頃はやってなかったみたい。
さくらが受けたのはキリストイニシエーションです。今となってはどんなふうに誘われたのか忘れてしまいましたが、嵌っちゃっててホイホイ状態でしたので簡単に受けることになりました。担当者の「あっちに行ってびっくりしないように」という思わせぶりな発言に、多少の不安は持ちながらもいそいそと受けに参りました。
新幹線を降りて集合場所に向かうと駅に弁護士さんの行方不明のポスターが貼ってあります。なんだかこわいなぁと思いますが、オウムのことを信じていたので引き返すこともなくバスに乗り込みます。現地に着くとサティアンの4階だったかでまたされます。コンクリートの打ちっぱなしの建物で建物の中にいるとは思えないくらい寒かったです。
さて、儀式が始まるらしいです。ケイマ大師が儀式について指示なさいます。(教団の出版物で見てちょっと憧れていた方ですがなんだか疲れていらっしゃるのかお元気なくてあんまり素敵じゃないなぁ)
どうやら、口を漱ぐようです。
ん。
これは・・・。前に見たゴルゴ37を思い出します。
ゴルゴは悪人たちに騙されて薬物を飲まされるんだけど、その時口に含み綿をしていたので、やられた振りをして難を逃れるのです。
こちらについてから書かされたイニシエーション参加同意書(何があっても死んでも文句言いませんってやつまったく、こんなもの書かされるなら来なかったのに。ココに来てから書かせるんだからなんかやることが卑怯な気がする・・・ブツブツ・・・。)の影響もあってさくらの意識のどこかが警戒警報を鳴らしていたんだと思うんだけど、そのときは何でゴルゴ(・・?とあっさりスルーしてしまっちゃいました。
さて、口を漱ぎ終わると別室で液体を渡されます。ワイングラスに入っていたと書いてあるものを見たことがあるんだけど、さくらの記憶では紙コップかせいぜい湯飲みくらいのチープな感じでした。
大枚100万はたいて参加したイニでしたが、扱いはエコノミークラスな感じです。
さて、2畳ほどの小部屋に案内されます。なんだかじめじめした感じの部屋でテレビが1台置いてあります。そして、部屋の上のほうにビデオカメラが設置されています。これでイニシエーション中の信徒の様子を撮るのでしょう。それにしても、信徒全員のを全時間チェックするとは考えられません。とりあえずぜんぶ映しておいてあとで問題になったときに確認するのか、スパイ疑惑の人だけ見るのかちょっと謎です。
さて、テレビで瞑想のガイドのようなものが映し出されます。えっ!そんな、瞑想なんてまだ習ってないのに~。なんて心配しました(今となってはオウムで瞑想の仕方習ってなくてホント良かった~)が程なく薬が効いてきたのでしょう。
ビジョンが始まります。さくらは男です。髪は長く原始人のような格好で険しい山の中を走ったりお祈りしたりしています。(これは以前見た映画「空海」の影響が強いと思います)髪を振り乱して一心不乱に祈ってます。体をぐるぐる回しています。ぐるぐる。グルフル。ぐるぐる。
あれ(・・?
こんな感じ。
あと見たのは、白い服を着た人たちに具合が悪くなった人たちが運び出されるビジョンです。個室でさくらは部屋から出てないはずなんだけど。あと、階段でヴァジラティッサ師がkCLって大きな声で言ってます。弁護士さんの事件のときバジラティッサ師が持っていったのがkCL(塩化カリウム)だったと知ったのはもちろん強制捜査後の報道でです。
イニ自体は気持ちよかったです。今まで生きてきてこれ以上の快感は味わったことがない。吐き気がするくらい(・・?
このような快楽はいけないことなのではないだろうかと感じるくらいのものでした。
ひと言でゆ~と「背徳」そんな感じでした。
さて、目が覚めると一番にしたのはオムツチェックです。
あ、無事でした(*^^*)
安心したらとってもトイレに行きたいのに気がつきます。意識を失っている最中に飛ばしてしまったのでしょう部屋の片隅に少し曲がっためがねが転がっているのを見つけ、そっとドアを押してみます。
あ、鍵かかってない。部屋から出ると受付みたいなところがあってサマナが座っています。トイレに行きたいと言おうとするのだけれど、声が出ません。なんだか自分の面倒を自分で見られない人になった気分です。なんとかトイレに案内してもらい用を済ませます。
広間に案内されました。広い部屋なのだけどそこに大勢人がいて皆ぼうっとしているようです。先に行ってパーフェクト受けていた腰子ちゃんと再開しちょっとホッとします。支部での担当者もやってきて感想を聞かれますがまだ満足にしゃべることが出来ません。
ボーっとしていたらマントラが聞こえてきます。修行するぞ!修行するぞ!・・・だったかな。ボーっとしていると意識がマントラに吸い寄せられてシンクロしてしまいます。そしてダルドリーが起こりました。さくらダルドリーなんてしたことないのに・・・。
やめたあとしばらくしてオウムは催眠術を使っていた説なるものを読みもしかして、さくらが意識を失っている間にサマナが数人係でさくらを持ち上げたり下ろしたりしてさくらの体にダルドリーを記憶させたのかと疑っておりました。サマナの皆さんは大変だったろうな~と。でも、オウムネット界ではそのような話はないのでこれはさくらの思い違いでしょう。
広間でボーっとしていたら、上のフロアーでどたどた走り回る音がします。「尊師」「尊師」必死に叫んでいるようです。かなり長い時間続きます。あんなに助けを求めているんだから誰か助けに行ってあげればいいのに・・・。
さて、ダルドリーです。あ、息してないかも・・・。無理やり意識をマントラから引き剥がすとダルドリーは収まります。油断するとまた意識がマントラに吸い寄せられて・・・こんなことを何回か繰り返しました。
そして、温熱です。サットバレモンを指示された温度のお湯で溶かして飲んだりお風呂にはいったり。お風呂はかなり熱いです。そうか、水着とバスタオルはこのために必要だったのね。腰子ちゃんに頼まれて買ってきた水着は色白の彼女に良く似合う紫色。
お風呂にはいるとサマナがそばについて優しく頑張りましょうって声をかけてくださいます。その声に励まされてなんとかクリアーしました。
温熱が終わったら、また別の部屋に案内されて薬を飲んで(何の薬か忘れてしまいました)ラーメンスープをすすめられます。そして体重を測ります。
ん(・・?なんで(・・?(・・?
もしかして・・・
もしかしてこれってヤク抜き(・・?
女の子は体重測定には敏感なのです。
さて、イニも無事終わり道場へ帰って担当サマナに感想を聞かれます。
素直になんの疑いもなく「ものすっごく気持ちよかった吐き気するくらい。」
担当サマナ「あれ、非合法な薬とかじゃないから。」
ん(・・?(そんなこと聞いてないのに何でわざわざ言うのかなぁ)
松本道場に行くときにおんなじ車に乗ったサマナだか信徒だか良くわからない人にも感想を聞かれおんなじことを言うと、
「私は薬をやったことがありますが、あれは違います。」
\(◎o◎)/自ら薬をやったことがあると人から聞くのは初めてです。オウムってそんな人もいるのか~。でも、聞いてないのに何でわざわざ否定するかな~。
軽く疑問に思ったものの深く追求することはなく、キリストイニシエーションがLSDを使っていたことや、イニシエーションで死亡した人がいることを知るのは、強制捜査後にオウムの実態が報道されてからだった。