大阪府寝屋川市の中学1年生2人が2015年8月、遺体で見つかった事件で、殺人罪に問われた無職山田浩二被告(48)の裁判員裁判が21日午前、大阪地裁であり、検察側は「初対面の2人を立て続けに殺害し、極めて悪質」として死刑を求刑した。

 山田被告は起訴事実を否認しており、午後に行われる弁護側の最終弁論で結審する。判決は12月19日。

 起訴状によると、山田被告は15年8月13日夜、大阪府内かその周辺で、平田奈津美さん(当時13歳)の首を圧迫するなどして窒息死させたほか、星野凌斗りょうと君(同12歳)も同日中に何らかの方法で首を圧迫し、窒息死させたとされる。

 検察側は論告で、遺体を鑑定した医師の証言などから、2人の死因が窒息で他殺だと指摘。一緒に行動していた被告が犯人とした上で、窒息には数分間首を圧迫し続ける必要があり、殺意があったと強調した。

 犯行動機は、「星野君と何らかのトラブルが生じて殺害し、発覚を免れようと、口封じのため平田さんも殺した」と主張し、刑事責任能力にも問題はないとした。

 その上で量刑を検討。「動機は身勝手で、殺害方法も残虐」とし、「2人が死亡した結果は重大。遺族に与えた精神的苦痛も大きい」と説明した。「出会った日に2人を殺害しており、生命軽視の度合いも高い」と続け、未成年を車に監禁した前科などを踏まえ「更生は困難」と言及。「誰もが被害者になり得た事件で、社会に与えた不安は大きい」とも述べ、死刑を求めた。

 弁護側は公判で、星野君殺害について「体調不良で死亡した」と無罪を主張。平田さんに関しては「首を押さえてしまったが、殺意はなかった」と傷害致死罪の適用を求めた。また、対人関係が苦手な自閉スペクトラム症で、「平田さんを死亡させた際は心神耗弱状態だった」と訴えている。