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【大相撲】

貴景勝、幕内通算100勝 前師匠・貴乃花上回るペース

2018年11月21日 紙面から

貴景勝(右)が押し出しで北勝富士を下す=福岡国際センターで

写真

◇九州場所<10日目>

(20日・福岡国際センター)

 単独トップの小結貴景勝(22)=千賀ノ浦=は北勝富士を難なく押し出し、1敗を堅持した。3大関はそろって白星。高安は千代大龍を問題にせず勝ち越しを決め、豪栄道は初顔の朝乃山をさばいて7勝目。栃ノ心は逸ノ城を下し、星を五分に戻した。2敗は高安と平幕の大栄翔、碧山(32)=春日野、阿武咲の4人で変わらず。

 目の前にあるものはすべてなぎ倒していくかのような破壊力だ。貴景勝がその押しで北勝富士を圧倒。4人の2敗力士も負けず、食らいついてくるが、貴景勝も単独トップは譲らない。

 「1敗とか2敗とか関係ないんで。自分がどう戦っていくかだけ考えてました」。無心であることを強調したが、この9勝目は価値ある白星となった。

 新入幕した2017年初場所から在位12場所目で幕内100勝目。「そうなの。頑張らないといけないと思います」。貴景勝にとっては通過点であり、スピード10傑(年6場所制となった58年以降入幕)には届かなくても、子どものころから思い憧れ、尊敬する先代師匠の元貴乃花親方を超えることができた。

 先代師匠の幕内100勝目到達も同じ12場所目だが、千秋楽。わずか5日の違いだが貴景勝の方が早い。それでも、先代師匠はその間に幕内優勝を飾った。貴景勝が今場所で優勝しても初優勝時の年齢、初優勝までの場所数も先代師匠に及ばない。近づけば近づくほどあらためて存在の大きさを知ることになる。

 さあ終盤戦。22歳とはいえ疲れもたまる。「大丈夫です。全然。疲れるの当たり前なんで。あしたの準備をしっかりして備えたい。負けて後悔しない相撲を。それだけ考えたいと思います」と弱音は吐かない。「きょう勝っても、あした取組がある。またあした、またあしたと続く」。相撲と同じ。どっしりと構えていく。 (岸本隆)

<貴乃花の幕内通算100勝目> 貴景勝の前師匠は、幕内在位12場所目の1992年名古屋場所千秋楽。1990年夏場所新入幕(4勝)、同年名古屋、秋と十両。同年九州場所、再入幕で8勝。その後は6勝、12勝、9勝、11勝、7勝、7勝、14勝、5勝、9勝、8勝で達成している。

 ちなみに、スピード幕内100勝の1位は大鵬で、10場所目の初日、2位が元大関豊山の同12日目、3位が双羽黒の11場所目の3日目。

 

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