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2018-11-20

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・このごろ、運転しながら歌うということをしていない。
 いつごろからなのかなぁ。
 気持ちに余裕がなくなっているのかもしれない。
 ひとりでクルマを運転してどこかへ行くということが、
 そもそもなくなっているのだ。

・なんだろうね、あの「ひとりカラオケ」みたいな行為は。
 だれに聴かせるわけでもないし、
 歌の練習をしているということでもない。
 意味はわからない。
 ただ歌いたいという気持ちが、あるんだね、人には。
 でも、なんだか「ひとりごと」みたいで恥ずかしいから、
 人に聞かれないように窓を閉め切って歌うんだね。

・ずいぶん前にひいた風邪から、のどの調子がおかしくて、
 かすれ声になったり、咳が出たりして、
 とてもじゃないけど、歌なんか歌えない状態のままだ。
 声が思うままに出せないというのは、
 ぼくにとっては、たいへんなストレスなのです。
 それはつまり「思いが、届かない」ということで、
 川岸に立って、向こう岸に向けて投げた石が、
 川の流れの中にぽちゃんと落ちているようなことだ。
 届くと思うから投げる石(意思)なのに。

・ずいぶん昔だけど、代理店の営業の人が、
 「ぼくみたいに独り暮らしが長い男は、
 ひとりごとを言うようになるんですよ」と言っていた。
 なんだか、すっと、そうかもしれないと思った。
 そのことは、いつまでも憶えていて、
 たまにじぶんがひとりごとを言ってるときに、
 その人のことを思い出す。元気かな。

・ポール・サイモンの『ひとりごと』というアルバムは、
 すばらしい名作だと思っている。
 「えー、ぜんぜんちがうよ」とか、
 おたがいのファンから言われそうだけど、 
 小沢健二の『LIFE』と、このアルバムは、
 ぼくのなかでは同じ引き出しに入っている。

 全体に、今日は「ひとりごと」みたいなことを書いたね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
整理してない記憶の引き出しを、開けてみたい気分もある。


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