ジェイムス・ウィリアム・ウィルソン
James William Wilson (アメリカ)



 肥満体のジェイムス・ウィリアム・ウィルソン(19)は、学校ではイジメられっ子だった。そして、ここ8ケ月ほどの間、精神医療施設への入退院を繰り返していた。抗不安薬のザナックスを服用していたとのことだが、そのことと事件との因果関係は不明である。

 1988年9月26日、サウスカロライナ州アベヴィルの母方の祖母の家で暮らしていたウィルソンは、22口径の拳銃を携えて車に乗り、隣町のグリーンウッドへと向かった。途中、ショッピング・モールに立ち寄り、銃弾を購入した。当初は1箱だけの注文だったが、レジでもう1箱追加している。
「やっぱ2箱にするわ」
(Better make it two.)

 午前11時30分頃、ウィルソンはオークランド小学校に侵入し、食堂へと向かった。そこでは100人ほどの1年生の生徒が教師と共に食事をとっていた。ウィルソンは無言のままで発砲を始めた。これにより1人の教師と2人の生徒が重傷を負った。

 その後、ウィルソンはトイレに逃げ込み、新たに銃弾を装填してから教室へと向かった。ところが、途中で体育教師のキャサリン・フィンクベイナーに制止される。ウィルソンは彼女の腕を撃ち、3年生のクラスに乱入した。5人の生徒が重傷を追い、2人の生徒が死亡した。

 シェキーラ・ブラッドリー(8)
 テキーラ・トーマス(8)

 直後にウィルソンは、負傷したフィンクベイナーに捕縛されて、間もなく到着した警察に引き渡された。

 かくして、ジェイムス・ウィリアム・ウィルソンは2件の殺人等の容疑で有罪となり、死刑を宣告された。彼は4ケ月前に起きたローリー・ダンの事件の影響を受けていたという。「学校襲撃事件」は連鎖するのだ。真似するバカものが必ず現われるので注意しなければならない。

(2012年12月31日/岸田裁月) 


参考資料

http://www.nytimes.com/1988/09/30/us/second-victim-dies-after-school-shooting-incident.html
http://www.columbine-angels.com/School_Violence_1988-1989.htm
http://articles.baltimoresun.com/1998-05-08/news/1998128134_1_oakland-elementary-ruth-elementary-school
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_attacks_related_to_primary_schools


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