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使えない場所もあるにはあるが…
2018年10月のとある週末、北京首都国際空港に降り立った筆者は、空港ターミナル内のケンタッキーにウィーチャットペイのステッカーが貼ってあるのを見つけ、恐る恐る支払いを試してみた。2通りある支払い方法(店舗のQRコードを読み込む、スマホ画面に表示したコードを店舗のリーダーで読んでもらう)のうち、どちらを使うかが分からず戸惑ったが、店員がフォローしてくれて無事支払えた。
少し歩いた所にファミリーマートがあったので、ミネラルウオーターを購入してみた。今度は滞りなく会計が済んだ。「本当にどこでも使えるのではないか?」と思い始めた筆者は、食事や観光地の入場料、土産代など、できるだけウィーチャットペイで支払ってみようと考え、観光に繰り出した。
結果から言えば、チェーン店はもちろん、お土産を買った雑貨店、食事を取った小さな刀削麺(とうしょうめん)の店、月餅(げっぺい)が所狭しと積まれた菓子店、さらには読み取り機が付いた自販機など、様々な場所で支払いができた。繁華街ではステッカーを表示していた露店も見かけた。実践する方法を見つけ出せなかったが、QRコードで地下鉄にも乗れるらしい。相当普及していることがよく分かった。
もちろん、QRコード決済が使えないという場所もある。その一例が万里の長城だ。入場券売り場はレトロな雰囲気が漂う窓口で、聞いたところ案の定ウィーチャットペイは使えなかった。インフォメーションに出向いて質問しても、入場券の購入にQRコード決済は使えないという回答だった。
だが、探せば解決策は見つかるものである。周辺を歩き回っていると、長城球幕影院(あえて訳すなら万里の長城ドームシアター、だろうか)なる施設のビジョンに「ここの入場券を買った方に長城の入場券を差し上げます」といった趣旨のメッセージが出ているのを見つけた。何かのキャンペーンだろうか。この施設の窓口で聞くと、ウィーチャットペイに対応しているとのことだった。入場券を買うと、なるほど長城の入場券が付いてきた。長い歴史を持つ世界遺産にもQRコード決済は有効だった。