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『NHK不要論⑨』

『民放との比較』

民放で勤めてみて改めてNHKというところがぬるま湯だなあと感じることが多かった。NHKでは一年に一本NHKスペシャルでも作ればあとはたいした仕事をしなくても済まされるという考えが根本にあり、庶民から預かった受信料だから無駄にできないという発想がない。
大河ドラマを一年やれば、次の年は『非番』などという考え方は民間企業にはないだろう。出勤してハイヤーで渋谷から横浜中華街までランチに出向き帰局すると酔い醒ましと称して喫茶コーナーに入り浸り、そうこうするうちに退局時刻となり『横浜打ち合わせ』と事由を付けて日帰り出張手当の請求だけ出して帰れる職場は、今まで経済の取材であちこちの企業を取材したがやはりここしかない。NHK内部しか知らない人は、そのおかしさに気がつかないのだ。夜10時前後になるとタクシーがなぜNHK放送センターの周りに集まるのか、ここの職員のチケットの大盤振る舞いをタクシーの運転手たちが知っているからに外ならない。

民放と比べて給料が安いと不満を言うが、福利厚生は断トツにいい。私は大学を出てNHK在籍12年間に月1万2000円以上住宅費を払ったことがなかった。地方では庭付き一軒家が借り上げ住宅で8000円。東京では新築マンションが1万2000円。退職したら民放には社宅がないからあわてて賃貸マンションに入ったら家賃15万近く。民放で給料は増えたがこれではあまり意味がないなと思ったものである。ほかにも全国の保養所の利用、共済会のカードで買い物やガソリンの割引、百貨店からの出張外商による特別割引など恩典はいくらでもある。
そういう中に身を置きながら『庶民感覚の報道』など出来るならやってみろと言いたい。

(つづく)

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