朝鮮日報

【コラム】民主労総に発布された有効期間5年の「暴力免許」

 処罰を恐れる必要なく暴力を行使できる人間が自らの責任を果たし、節制して他人に譲歩することは考えられない。現代自動車労働組合も民主労総系列だが、この会社の従業員は世界の自動車メーカーで給与は最も高いが生産性は最も低い。これでは企業の経営そのものが成り立たない。民主労総の暴力免許は韓国経済全体をも危機的状況に追い込もうとしている。

 つい先日、与党・共に民主党の洪永杓(ホン・ヨンピョ)院内代表は民主労総に対し「言葉が通じない。労働組合による建物の占拠は米国ではテロ行為だ」と発言した。また大統領府のイム・ジョンソク秘書室長は「民主労総と全教組(全国教職員労働組合)はもはや弱者ではない」と指摘した。民主労総に暴力免許を与えた側が民主労総を批判したことにはある意味新鮮さを感じる。しかし彼らがその言葉を実践に移し、民主労総の暴力を法律に基づいて処罰することはおそらくないだろう。

 民主労総は今の与党にとっては一種の実行部隊のようなものだ。共に民主党が政権を失い野党となれば、民主労総は保守政権に対して常に揺さぶりをかける。狂牛病(牛海綿状脳症・BSE)問題などで都心をまひ状態にし、過激な暴力を行使したのはその典型的なケースだ。また朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領の弾劾を求めるキャンドル集会も、その中心には民主労総と全教組の存在があった。いかなるデモや抗議行動にもそれを引っ張る核が存在する。この核を中心にデモが大きくなり拡散すれば「市民による蜂起」となる。韓国で最も大きく力が強いデモの核には常に民主労総の存在がある。そのため今の与党が彼らと決別することは考えられない。民主労総と現政権はおそらく個別の問題では時に意見が対立しギクシャクすることもあるだろう。しかしこのままでは民主労総の暴力免許は最低でも5年、あるいは10年以上は有効期間が続くはずだ。

楊相勲(ヤン・サンフン)主筆

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