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【スポーツ】

[ラグビー]日本、聖地で悔しい逆転負け イングランドに前半リードも息切れ

2018年11月19日 紙面から

日本-イングランド 前半、トライを決めるリーチ(左)=トゥイッケナム競技場で(岩本旭人撮影)

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◇テストマッチ 日本15-35イングランド

 【ロンドン大友信彦】英国遠征中のラグビー日本代表(世界ランキング11位)は17日、当地郊外のトゥイッケナム競技場で、イングランド代表(同4位)とテストマッチを行い、15-35で逆転負けした。対戦成績は日本の9戦全敗。日本は前半にCTB中村亮土(27)=サントリー=とフランカーのリーチ・マイケル主将(30)=東芝=がトライを挙げるなど15-10で折り返したが、後半に3トライを奪われ、攻撃は無得点に終わった。日本は秋シーズン最後のテストマッチとして、24日に英国西部のグロスターで19年W杯日本大会開幕戦の相手、世界19位のロシアと対戦する。

 8万1151人を飲み込んだ聖地・トゥイッケナム競技場。日本ラグビーにとって、史上最も多い観衆が見守る中での戦いで、苦い結末が待っていた。

 「ひと言で言うと、ガッカリです。勝てた試合に負けてしまった」

 リーチ主将は唇をかんだ。キックを多用してきた従来の戦い方から一転、この日はボールを継続する地上戦で勝負した。前半は7割近いボールを支配し、相手のシンビン(一時退場)で数的優位になった時間帯を生かして、同22分に中村、同31分にリーチ自身がトライを挙げるなど15-10とリード。3年前のW杯1次リーグ初戦で勝った南アフリカ戦に続く金星への期待がふくらんだ。

 しかし、体格に勝るイングランドに地上戦を挑んだ代償か、後半は息切れした。後半開始からSHを田中から流に代えるなどカードを早めに切った日本に対し、イングランドも主力のファレルらを投入。ミス、反則が増えた日本は同19分に逆転トライを許すと、同30、36分とさらに2トライを失い、突き放された。

 リーチ主将は「課題だった後半の立ち上がりにやられた」と悔しがる一方で、「うれしいこともあった。ニュージーランド戦で課題になったFWのセットプレーとブレイクダウンを改善できた。ラインアウトをほぼ100%取れたのは収穫」と総括し、ジョセフ・ヘッドコーチも「世界のトップ4としっかり戦えたことはプラス材料」と、前を向いた。次戦はW杯開幕戦で戦うロシアが相手。田中は「今日良かった部分に磨きをかけて、しっかり勝って結果を出したい」と目を光らせた。

イングランドに敗れ、肩を落として引き揚げる日本フィフティーン(岩本旭人撮影)

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◆敵将・エディー監督「若い選手成長」

 「日本は本当に良くなったね」。前回のW杯で日本を率いたイングランドのエディー・ジョーンズ監督(58)は、かつての教え子たちの奮闘をたたえた。

 「8万人の観衆が見ている前で、イングランドを相手にこれだけ戦えたことは、日本ラグビーにとって素晴らしいこと。サンウルブズの戦いを通じて若い選手が成長しているし、コーチ陣もいい仕事をしている」と言いつつ、イングランドの選手たちには「来年のW杯に向けて、もっともっと努力しないとね」と注文。日本への褒め言葉は、外交辞令含みかも…。

 

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