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【大相撲】

貴景勝は1敗守る 大関の栃ノ心相手に馬力見せた

2018年11月20日 紙面から

貴景勝(右)は栃ノ心を押し倒しで破って勝ち越しを決めて、単独首位を守った(宮下雅太郎撮影)

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◇九州場所<9日目>

 合口がいいとはいえ相手は大関。貴景勝は結びの一番で、その大関を一直線に押し倒した。

 「胸を借りる気持ちでいこう」と謙虚に話すが、栃ノ心に尻もちをつかせる圧勝だった。八角理事長(元横綱北勝海)も「馬力あるわな」と高く評価し、優勝争いでも「こういう相撲を見るとね」と中心に据える見方を示した。

 2敗力士が黒星を喫していく中で、幕内最年少の22歳が1敗を守り無心の土俵を続ける。この日の取組についても「そんなに覚えてない。ほとんど毎日。ビデオを見返さないと」。優勝争いの話題を振られても「15日間の勝負。9日間終わった成績は何一つ参考にならないというか、あてにならないから。こっから負けたら8勝7敗」と言ってのけ、「(残り)6日間どう自分と向き合っていくかなんで」と修行僧のような言葉が続く。

 毎日体重計に乗り体重をコントロールする。食事の量を減らすときはアルギニンを摂取。「スピードとパワーは比例している。重いときは炭水化物の量を調整する」とアスリートとしての自覚を常に持つ。

 土俵に上がれる喜びも感じている。今年の春場所はけがで無念の途中休場に追い込まれた。「上半期はよくないことばかり。その中で本場所に出られるありがたさを感じながらできてると思います」という。

 「勝ったらうれしいし負けると悔しい。それを自制しないと。それも慣れてきました。昔は難しかったけど」と動じない心も22歳らしからぬ武器になる。

 同学年で中学時代からライバルとしてしのぎを削ってきた阿武咲が2敗で追いかけてくる。「自分のことで精いっぱいだから。考えられない。そんなこと思ってたら勝てない」。若手が懸命に引っ張る一方で、3横綱が休場。世代交代の足音はそこまで迫っている。 (岸本隆)

 

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