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【大相撲】

阿武咲、2敗キープ 中学時代からのライバル貴景勝に負けん

2018年11月20日 紙面から

阿武咲(左)は大奄美を押し出しで破り2敗を守る(帖地洸平撮影)

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◇九州場所<9日目>

(19日・福岡国際センター)

 単独トップの小結貴景勝(22)=千賀ノ浦=は結びの一番で栃ノ心を圧倒して1敗を守り、勝ち越しを決めた。同じ22歳で平幕の阿武咲(阿武松)は大奄美を押し出して2敗をキープ。中学時代からのライバル2人が優勝争いを引っ張るかたちになった。

    ◇

 相手のまわしには目もくれなかった。阿武咲が、168キロの自身より19キロ重い大奄美に立ち合いから何もさせず、一気に土俵下まで押し出した。同い年、22歳のライバル貴景勝を1差で力強く追走している。

 「あらためて前に出ることの大切さを、身にしみて感じている。初心を忘れたらダメ」

 小結だった今年初場所で右膝の靱帯(じんたい)を損傷し、2場所連続休場。幕内復帰2場所目だった先場所は4勝11敗と大きく負け越した。白星を意識しすぎ、引いて墓穴を掘る展開が続いた。

 「何をしたら一番、気持ちいいか」。自問自答の答えが原点回帰。師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)に入門時から猛稽古でたたき込まれてきた押し相撲だった。今場所、7個の白星はすべて押し出しでもぎ取っている。

 迷いない攻めに、八角理事長も「若手で元気があって、貴景勝もそうだけど馬力がある。2人に言えるのは度胸があるよね」と目を細める。幕内最年少の2人が、それぞれ中入り後の前半と後半で主役になっている。

 阿武咲は、子どものころから競い合ってきた貴景勝の快進撃を「すごい。認めざるを得ない。悔しいけど、そういう存在」と素直にたたえつつも「意識して勝てるなら意識しますが、そうじゃない。自分は自分なんで」ときっぱり。こちらも同じ小結経験者。プライドを胸に、押しまくる。 (志村拓)

◆同学年の選手、タレント揃い

 貴景勝、阿武咲と同じ1996年生まれのスポーツ選手は、プロ野球では高卒4年目の巨人・岡本和真内野手、DeNA・飯塚悟史投手、楽天・安楽智大投手ら、社会人出の新人では、オリックス・田島大樹投手、97年3月の「早生まれ」同学年で中日・鈴木博志投手がいる。サッカーのMF井手口陽介(グロイター・フュルト)、体操の白井健三(日体大)、スキージャンプの高梨沙羅(クラレ)、フィギュアスケートの本郷理華(中京大)も96年生まれ。

 

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