オリックス・金子千尋投手(35)が来季契約に関し、野球協約が定める減額制限を大幅に超えるプロ野球史上最大の5億円減となる年俸1億円を球団から提示されていた。当初、今季年俸は5億円とみられたが、関係者の話を総合すると6億円だったことが判明。5日には代理人を伴って球団事務所を訪れ、2時間を超える交渉も行ったが合意には至らない。金子は交渉後、報道陣の前に現れたものの一切、口を開くことはなかった。
それもそのはず。提示された来季年俸は1億円で、プロ野球史上最大となる5億円の減俸を、簡単に受け入れられるはずがなかった。
最多勝、最優秀防御率にMVP、沢村賞とあらゆる賞を総なめにした2014年のオフ、国内FA権を行使。ポスティングでのメジャー移籍も含めて日米を巻き込んだ移籍騒動の末、4年総額20億円の大型契約を結んだとされていた。
それから4年。この間は右肘手術などもあり30勝30敗。2桁勝利はわずかに1度(17年に12勝)。今季は4勝7敗。8月には故障離脱し、そのまま登板することはなかった。長村球団本部長は「前回の交渉に私は出られなかった。何を望んでいるのか直接、聞いてみたい」と話し、近く交渉の場を設定する予定だ。金子に残された選択肢は自由契約での他球団移籍か残留。その決断が注目される。