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2018-11-19

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・もともと、娘に「はやく結婚しろ」と言った覚えもなく、
 すると決まったら「よかったなぁ」とよろこんだ。
 本人がすることだから、親はなにか言っちゃいけないが、
 結婚したいという気になって、相手も
 そう言ってくれたのだったら、そんなにいいことはない。
 じぶんの人生のなかで、いちばんうれしかった。

 そういう夫婦にこどもができた。
 これも、お願いした覚えはなかったし、
 「孫の顔がみたい」という気持ちはさらさらなかった。
 孫がかわいくてしょうがないというような、
 そういう祖父になるのもなんだかなぁと思っていた。

 さて、娘は、無事にちいさい娘を生んだ。
 赤ん坊がかわいいということよりも、
 娘とそのだんなが、よくやってるなぁと思えて、
 いい年をしたそっちのふたりが、とてもかわいかった。
 こどもの誕生は、おかあさんとおとうさんの誕生である。
 きみたち、赤ん坊から、よくここまできた。
 ぐちも文句も言わないで化粧っ気のない顔で、
 新しい家族を歓迎している娘を、尊敬したりもした。
 なにもできないとおろおろしているダンナも、
 なんとか役に立とうとしている姿がかっこよかった。 
 で、まだ赤ん坊がかわいくないかと言えば、
 まったくそんなことはないわけで、じゅうぶんかわいい。
 見たりする回数も自然に増えているから、
 なじみ感もでてきて、見ているとうれしい気持ちになる。
 家にいる仔犬も、なじんできているし、たのしいものだ。

 世間では、「おじいちゃんですね」と決めつけるのだが、
 その呼び方だけは、ちょっと避けて通りたい。
 おとうさんには、じぶんの意思でなるのだけれど、
 おじいちゃんになるのは、向こうからやってくることだ。

 赤ん坊のおとうさんの呼び名が「パパ」と決まったら、
 ぼくは「おとうさん」をもらえないかと思っている。
 もし、あっちの家で「おとうさん」と呼ばれるのなら、
 ぼくに「パパ」をくれないかなぁと考えている。
 水商売の女性にでれでれしている「パパ」ってのと、
 同じような感じで呼ばれるのでもいいからさ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
どこに行かなくても、おもしろいことがあるもんだねー。


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