筋肉で解決しないために。

日々出会うモノに対する考察をしたり、主に以下のテーマに関して書いています。 データサイエンス/人工知能/AI/機械学習/DeepLearning/Python//数学/統計学/統計処理

新卒配属ガチャに失敗しました

先日、新卒で入社し、約1年6ヶ月務めた某S社を退職しました。
闇属性でパーティー作ってんのに、光属性☆5引いちゃったみたいなそんな感じです。

勤務時に、この会社ここがダメだなーとか、ここは良かったなとかパラパラと書き留めてましたので、 それらを整理しつつ、あまり表現がキツくならない様に書きたいと思います。

簡単に情報を書くと、
私は理系大学院修士卒(物理系)で、S社の規模は社員数1万人以上の企業です。

また、本エントリにおける意見は、私が関わったごく限られた部署及びその周辺、または伝聞した範囲の話であることを強く意識した上でお読みください。

まずは良かったところから。

前職の良かったところ

ピュアホワイト企業だった

ホワイト企業チェックリスト見たいなものがもしあったなら、前職はその項目全てオールグリーンだったと思います。
純白、ピュアホワイト、白より白い。

簡単に挙げてみると、
・残業が少ない(もちろんバラつきはあるけど基本的に上司から帰っていく、残業代はもちろん完全支給)
・社内飲み会がない(忘年会、異動等があれば歓送迎会はある。年数回程度)
・フレックス勤務を採用しているため数時間程度の融通を効かせやすい雰囲気がある
・有給、半休を取りやすい雰囲気がある
プレミアムフライデーは毎月取得可能
・育休を取得する男性社員が普通にいた
・休みの人や帰宅後の人を頼るのは辞めようという文化が浸透しており、そもそも属人化による単一障害点がきちんと回避されている

何を働きやすいと言うかは人それぞれだと思うけど、
今振り返っても一般的に望まれている要素はほとんど揃っていた様に思います。

人が余ってるくらいじゃないとホワイト企業って実現しないんだなーって理解しました。

一般的/社会的教養が十分な人で満ちていた

一般的/社会的教養と言うわかりやすい様で、明確でない言葉を使ってしまいましたが、
「まぁみんなそれぞれだよね」と言う感覚をきちんと備えていると言いますか、
パワハラとかセクハラとかそんなレベルからは程遠い人たちの集合だったなと感じています。

少し言い換えると、しょーもない人間関係のゴタゴタに巻き込まれることが一度もなかったと言うことです。
心身共に余裕がある人が多い、そんな組織だったのかなと今となっては思います。

私が入社するより以前にそういったやばい人達はきちんと淘汰されたんだろなとも想像できます。

世間の気持ちや生態が少しわかった

就職まではラボにこもってたので、
これまで社会性なく、且つ周りも自分と似たような人に囲まれて生活してきたため、
何も疑いなく自分は一般的な考え方を持っていると思っていたのですが、
企業で働いてみて、どうやら自分は少数派に属するのだということに気づきました。

良い悪いではなく、
帰宅後や土日に勉強してる人は少ないし、
"そこそこやる"の基準(作業時間等)が他の人とすごく差があったし、
好きでも楽しくもないけど、嫌じゃないからこのままで良いと思っている人は多いし、
そもそももっと強くなりたいと思っている人って少ないんだなぁと感じました。

筑波大学の落合先生はよく”追い込め追い込め”と言った発言をされていて、個人的にはとても共感できるんだけど、
そんなことは"自分だけ"が勝手にやるべきで、その基準を他の人にも勧めたら/求めたらいけないんだなと理解しました。
あんなのはやはり一般的ではないんですよ。
もし私が学生起業なんかしてたら、絶対ブラック企業作ってたわ。

こうした事はそもそも知らなくてもいいのでは?という気持ちもあるけれども、
もう知ってしまったし、知ってた方が良いこともあるとも思うので、良かった事に分類しました。

そういう意味で、世間の気持ちや生態が少しわかったと書きました。

なぜ新卒に庶務をやらせるのか答えを見つけたこと

日本企業では鉄板だと思いますが、新卒に庶務をやらせますね。
例えば、社内の郵便配達、会議室の予約/設営、新聞/雑誌の集荷/整理、役職者のシステム操作代行(IT介護)等々あげればキリがありません。

入社直後から、「なんでこんなバイトでも出来ることをやらせるんだろう。」と思ってました。
1年半も大企業にいたので、答えがわかった気がしています。

その答えは、"出来ない人がいるから"だと感じました。
事務処理能力が低い人って年齢問わず、普通にいることを知りました。

そりゃあ上司は、新人に対して、事務能力を試したくなるわな、と。
そこで上司の信頼を得ると、そこから卒業できるという仕組みなわけです。

結構戦いましたけど、
提案は通る可能性があるから提案するのであって、
閉まっていたり、何重にも門があるところで提案するのは時間の無駄だと気づいて、辞めました。

知らない分野が知れたこと

前職では、省庁対応を行っていました。いわゆるロビイングと言われる分野です。
国内の政策決定を自社に不利益なことにならないよう働きかけたり、自社の取り組みを政府にアピールしていくような業務です。

政治的な力や流れ(いわゆる既定路線)は変わりようがないことも体感できましたし、
どのルートで、どのタイミングで働きかけたら軌道修正できることもあるということも学びました。

私も今後新興分野に身を置きますが、こういった分野こそ、法規制 vs XXの様な構図になりがちかと思いますが、
真正面から省庁と対立しても仕方がなく、また省庁には省庁なりの承認ステップがあり、独特のスピード感があります。
こういった素養を理解できたことは今後役に立つだろうと感じています。

また、なかなか経験できる職種でもないと思いますので、良い経験ができたと思います。

前職の悪かったところ

さて、本編始めますか。

業務とのミスマッチ

退職に最も影響したのはやはり本務に関心がわかなかったことです。

前項では、美しめに"経験になりました。"なーんて書きましたが、
正直「つまんねー!」でした。
仕事してて、脳汁が全く出ないんですよね。

省庁対応やロビイングなんて言ったら、聞こえは良い感じはしますが、
結局、パワポエクセルワードです。

"仕事に答えがない"なんて言われますが、
業務特性もありますが、答えがありました。

先日、このような意見もありましたが、同じ気持ちです。

最初から結論が決まっているので、データ分析はいかに結論をでっち上げるかという方向に労力が注がれる。

anond.hatelabo.jp

また先日、友人に「最近1年で1番楽しかった仕事は?」と聞かれ、答えられなかったです。
これは自分にとって衝撃的で、
改めて辞めて正解だったとそこでは感じました。

てか、人事さん、配属権ないのに採用面接時に配属先について言及するのはやめてください。

働き方とのミスマッチ

これもまた前項で述べましたが、ホワイト企業というのは、
プライベートと仕事をきっちり分けるということ(ワークライフバランス)ですが、
結局、私にはそれは馴染めませんでした。

むしろそう二分することで徐々に仕事が自分ごとに思えなくなっていきました。
私にとってそれはストレスであり、
仕事も趣味も勉強も中途半端になっている感覚が抜けず、
QoLを下げている要因であることに気づきました。

世間ではワークライフバランスを目指した働き方改革が盛んですし、
同期等を見ていてもワークライフバランスを重視したい人が多数派だったので、会社を批判するわけではなく、
企業文化と合ってない私が消えるしかないと考えました。

ワークアズライフってやつを目指してみます。

評価最適化していく自分

評価には、闇の力が多分に含まれ、
フィードバックでは当たり障りのない事が言われる。
こうした事実によって、私は評価への関心をなくしました。

すると、以下に労力少なくこなすか、という考え方に陥り、またそこから抜けることが私はできませんでした。
また、そうした自分がとても嫌でした。

そしてこうした発想は、他部署とタスクの投げ合いをしたりすることに発展し、
「なんだかなー」という気持ちでした。

好きな漫画アカギの言葉を借りて表現すると、自分も含め
「なんでもっとみんなスカッと生きねえのかな・・・」という感じです。

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5年後も10年後も憧れなかった

5年後も10年後の自分の姿というのは、
先輩や上司群を見ればおよそ想像できる気がすると思いますが、
やはりそこに憧れが持てなかった。

もちろんこれは嗜好の問題で、"私は"憧れなかったということにすぎません。
人それぞれです。

また、このままずるずると在籍したら絶対後悔するなと思いました。
もちろん転職しても今より良くも悪くもなり得りますが、
後悔することが明らかであれば、その行動を取るしかないだろうという発想です。

後悔は先に立たずということわざがあり、また概ねその通りだとも思いますが、
後悔は先に立つこともあるだろうと、今回ばかりは感じました。

研修がひどい

大人が何百人も関わって経費たくさん使ってのんびりのんびり何をやっているのかという気持ちでした。

指導側は、"研修を行った"という事実を作るという仕事で、
被指導側は、"研修を受けた"という事実を作るという仕事に成り下がってしまっていると感じました。

組織からしたら、持ち出せるスキルのない人材育てて飼い殺したいんだろうなとか勘ぐってしまう。

転職に際して

新卒ガチャではずれを引く可能性はそれなりにあるわけで、
転職活動に当たって、もちろん明言はされてませんが、修士行ってて良かったなぁと私は感じました。
やはり面接では学生時代の研究の話で盛り上がるし、基本的に即辞め人材なんてポテンシャル採用だろうからね。 もし行くか悩む人がいたなら是非行って欲しいなぁと個人的には思います。

  • 転職の思考法

こういった自己啓発系の書籍を紹介するのは、少し恥ずかしいのですが。
以下の文言が刺さりました。

『転職が100%失敗する、唯一の条件』というものがある。それは腹を括るべきタイミングで、覚悟を決めきれなかったときだ

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

さいごに

今後も同じ会社で働く人をできるだけ傷つけないように書いたつもりです。

まだまだ書きたいことはありそれは、なぜ異動希望ではなく転職なのか、という答えになるんですが、
これ以上は愚痴になってしまうのと、内容が具体的になってしまうので、心に閉まっておこうと思います。
摂取アルコールの量によって適度に身内にオフライン放出して消化しようと思います。

パフォーマンスとはいえこんな若輩者が、早々に会社辞めてもきちんと送別会が開催してもらえ、
「いつでも待ってますので」とか言われると、少し感傷的になりました。
今はただ淡々と誠実に頑張ろうという気持ちです。 ちなみに次は、ベンチャー企業でデータサイエンティストをやりますよ。

あの会社の社食、ビーフカレーが安くて美味しかったな。

しばしニート期間を楽しもうと思います。