人工衛星の写真分析の結果、北朝鮮が少なくとも13カ所のミサイル基地でひそかにミサイル計画を継続している状況が確認された、と米ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。分析作業を行ったシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は、北朝鮮が米朝首脳会談や平壌南北首脳会談で東倉里ミサイルエンジン試験場の永久廃棄を約束し、それがミサイル計画の放棄であるかのように宣伝しているのは、巨大な欺瞞(ぎまん)行為だと指摘した。
北朝鮮は、東倉里試験場、豊渓里核実験場、寧辺原子炉施設といった、役割を終えたり使い道がなくなったりした核施設を選び、非専門家を呼んで爆破ショーを繰り広げた。それを、あたかも非核化措置であるかのように装ってきた。その代価として韓米合同軍事演習の中止を手に入れ、終戦宣言および北朝鮮制裁緩和という、さらなる「相応の措置」まで要求している。その一方、依然として10カ所を超えるミサイル施設を運用していた。ウラン濃縮も継続しているだろう。既に地下でウラン濃縮施設を稼働させているという疑惑が持ち上がっている。ニューヨーク・タイムズ紙の報道は、米情報当局が「北朝鮮式非核化」とは偽りのものであると暴露し、真の非核化を迫っているものとみなければならない。北朝鮮が非核化の第一歩に当たる核施設の申告はできないと言って粘っているのも、自分たちが隠しておいた秘密施設を米国がどこまで知っているか分からず、それゆえにうそをつき難いからだろう。