結婚は、すべてを解決する魔法じゃない。（後編）

【お知らせ】この記事は、2018年11月30日（金）をもって掲載を終了いたします。

凪さんは圧倒的に行動していません。「なんだかなぁ」を晴らす施策が相談文にまったくなく、頭の中でずっとぐるぐる悩んでいる、もしくは心のもやもやを感じているだけに見えます。具体的な改善アクションプランがなく、行動もしていないので、現実には何も起こっていません。凪さんの場合、名前のとおり凪すぎて波がいっさい立っていません。

## 結婚はすべてを帳消しにする最終魔法ではない

そんな凪さんが、唯一「解決方法」っぽいことを提案しています。それが「望み」として設定している「結婚したい。そうすれば何かが変わる気がする」。

本当に変わると思います？？？？？（真顔）

見てきたとおり、凪さんの悩みは複数あり、それぞれ解決方法が違います。かつ、自分起因の問題と他人起因の問題が混ざっています。それをまるっと「結婚」で変えられるでしょうか。例えば仕事で、「残業を減らしたい」「面倒な顧客対応をさっさと終えたい」「給料を上げたい」「業務で使う知識を勉強したい」という悩みを一気に考えても、解決方法がそれぞれ違うから意味がありませんよね。ましてや「そうだ！結婚すれば全部解決できるかも！」とは思いませんよね。

でも、それをやろうとしちゃうのが、不安に押しつぶされそうになってるアラサー女子。わかる。わかるよ、結婚でどうにかなると期待しちゃうの。でもそれじゃダメです。

結婚を「すべての不安を解決して幸せを呼び込む最終魔法」だと思っていると、高確率で失敗します。なぜなら結婚は、あくまで行政上の手続きにすぎないからです。「何かが変わる気がする」とありますが、そりゃ「何か」は変わるでしょう。名字とか、親戚づきあいとか、家事分担とか、時間の使い方とかね。でも「不安を解消」したり「自分に都合いい」方向に変わるわけではありません。

アラサー女子は、つらくなると「結婚したい」「ぬこかわいい」「ハワイ行きたい」と思考停止して呟くものですが、水にいくら「かわいい」「ありがとう」「素敵」と声をかけても成分が1ミリも変わらないのと一緒で、いくら結婚に「助けて」「変えて」「幸せにして」と念を込めても、結婚に魔力は宿りません。宿らないどころか「結婚で全部解決☆」というなんの解決にもなっていない逃避策を実行した結果、「とりあえず結婚したいと焦り、よく考えずに不幸な結婚にまっしぐら★」という二次災害まで引き起こします。最悪です。

プロポーズされる（もしくは自分からする）、入籍する、挙式する、これらは楽しいイベントですが、それはあくまでイベントです。結婚は点ですが、結婚生活は線です。ずっと続く、共同生活への入り口でしかありません。

「結婚はすべてを解決する魔法じゃない」

この言葉を、1日100回唱えてください。写経は可ですが、コピペは不可です。

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## 結婚の前に、彼と話すべきことが山とある

「結婚したい」と凪さんは言いますが、今の状態で結婚しても不安はまったく解消されないと思います。なぜなら結婚は生活であり、「現在の関係」の延長だからです。ところが、現在の関係を見てみると、解消しなくてはならない課題が山ほどあります。

相談から読み取るに、総じて凪さんは彼ときちんと話し合いができていません。

・付き合って結構経つのに結婚の話が出なくて不安。
・彼が自分とちゃんと結婚する気があるのか真意を知りたい。
・「おまえいい嫁になるわ、俺の」とか突然言うから期待する。
・最近はデートの数が減って突然気まぐれに訪ねて来た彼と家で会うだけ。
・私が作ったゴハンを食べてすることをしたら即寝で、都合よく扱われている気がする。

改めて並べてみると、「知りたい」事柄を彼に確認したり、自分の意見を伝えていないことがわかります。確認していない事柄から「もしかして」「たぶんこう」と推測や希望を見出して意思決定しておらず、自分が嫌なことを「嫌われたら怖い」という思いから彼にも伝えていません。

これらの問題は日々のコミュニケーションの問題なので、結婚したからといって変わるものではありません。結婚への幻想「結婚すれば幸せ」に並ぶ地雷思想に「結婚すれば相手が変わる」がありますが、すさまじい勘違いなのでこちらも圧倒的爆破しましょう。

今ある問題は、今、解決する必要があります。未来に先延ばししても、変わりません。彼に聞きましょう。伝えましょう。

彼の気持ちは彼にしかわかりません。彼の気持ちや考えを凪さんが知るには、彼に聞くしかありません。そして自分が嫌なこと、不安や疑問に思っていることも彼に凪さんが伝えなければ彼に伝わりません。

残念ながら、現代科学ではまだ「自分の脳内の彼」と会話しても現実世界には反映されませんし、思ったり念じたりすることで気持ちが通じることもありません。「このくらいわかって当然では？」と思うことも、自分と他人では恐ろしいほどの断絶があることも日常茶飯事です。

結婚するにしろしないにしろ、「今ある課題を2人で解決する」という最低限のコミュニケーションを取れないままでは、関係破綻するのは目に見えています。

彼がただのヤリチンで口のうまい男なだけ…という可能性はありますが、彼の情報が少ないのでここは割愛します。ただ、彼に質問したり確認したときに、彼が答えなかったり、曖昧にして逃げたり、「俺のこと好きじゃないの？」「でも結婚するって、俺は思っているよ」など質問返しをしてきたりしたらその男ダウトなのでまた相談してきてください。

質問にちゃんと答えない男は駄目です。これも宇宙の理として覚えておいてください。

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## まとめと結論。自分の輪郭をくっきりしよう