【首都スポ】[大学サッカー]筑波大・角田、高校日本一に続いてインカレもVで2018年締めくくる2018年11月16日 紙面から
第92回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)は第20節まで終え、残り2試合となった。早大の優勝がすでに決まり、戦いの焦点は、現状7位までに与えられる、全日本大学選手権(インカレ)の出場権争いへと移っている。早大に次いで現在2位の筑波大もインカレ参戦が決定済みだが、同大で注目されるのが、自らのボール奪取などから、攻撃の効果的な組み立て役にもなるルーキーDF角田涼太朗(前橋育英)。新人賞の受賞が確実なレフティー・センターバックに聞いた。 (取材・構成=関孝伸) -前橋育英高(群馬)の一員として、1月に全国高校選手権で優勝しました。4バックのレギュラーのうち、松田陸選手(J1・G大阪)と渡辺泰基選手(J2新潟)がプロ入りしましたが、角田選手にもJクラブからオファーがあったと聞きます。あえて大学に進んだのはなぜでしょうか 角田「自分がプロに行くのはまだ早いかなと思いました。違うところで4年間やってからプロになっても遅くはないんじゃないかなという気持ちがありました。それと、(プロ選手を引退した後の)セカンドキャリアのことも考えました」 -筑波大入学時にはどのような意気込みを持っていましたか 「4年の間に(選手としての)すべての能力を引き上げようという思いがありました。(松田と渡辺の)2人がチヤホヤされたりして、うらやましさもあった中で、自分にとっては大学進学の方が正しかったことを4年間で示せればいいなと考えていました」 -筑波大は昨年の1部リーグで優勝しました。当時の守備陣が多く残っていますが、角田選手はそこに割って入り、レギュラーの座を早々に獲得しました 「1年目からなるべく試合に絡んでいきたいとは思いましたけど、最初から出られるとは考えていませんでした。とりあえず、先輩たち(のプレー)を見て、成長することに重きを置く一年にしようという思いでした。ただ、自分は左利きなので、その部分を生かして勝負できるんじゃないかなとは思っていました」 -左利きの利点が実際に生き、前半戦では主に左サイドバックで起用されました。その前半戦を振り返ってください 「左サイドバックの選手がけがをしていましたし、そこ(での起用)もあるかなという意識でした。プレーのスピードが(高校サッカーに比べると)速くて、最初の2、3試合は足がつったりもしてきつかったです。でも、だんだんと慣れて、やれる感触をつかんでいきました。自分のミスで失点したこともあったので、決して最高ではなかったですけど、悪くないプレーはできたかなという感じです。平均点くらいの出来でした」 -本職のセンターバックに戻りたい気持ちはありましたか 「前半戦のときは、左サイドバックも楽しいと思っていました。ただ、(8月の)全日本大学選抜の遠征でセンターバックをやって、(筑波大でも)出られるならセンターバックで出たいという思いになりました。やっぱり、自分はセンターバックで勝負したいです」 -その願いが通じた形となり、後半戦の開始からセンターバックを務めるようになりました 「1年生のセンターバックということで、責任を感じて、後半戦が始まるまでは不安な日々でした。でも、プレーできる手応えを前半戦でつかんでいたので、自信を持ってやることを大切にしました」 -センターバックとしてのここまでの自身のプレーぶりをどう評価しますか 「左サイドバックをやっていたときよりもいいと思います。後半戦に入ると、チームの調子が上がって、自分もそこにフィットしました。攻撃参加や球際(の厳しさ)の部分が結構できて、楽しくプレーしています。失点が(前半戦に比べて)減りましたし、うまくいっているところの方が多いんじゃないかと思います。名だたるフォワードの選手と毎試合勝負できるのが楽しいですし、センターバックをやる魅力をあらためて感じています」 -チームは、前半戦終了時の8位から順位を大きく上げ、現在は2位です。追い上げは届かず、2連覇達成はなりませんでしたが、リベンジするチャンスはあります。12月のインカレで2年ぶりの大会制覇を目指します 「リーグ優勝はできなくて、悔しさやむなしさを感じました。でも、それが今の実力です。何とか2位でフィニッシュして、インカレでは優勝できるように頑張ります」 -角田選手にとっての2018年は高校日本一でスタートしました。インカレのタイトルを取れば、優勝で始まり、優勝で終わる年になります 「そうなったら、本当に最高です。自分の人生にとって、大きな出来事になります。(インカレのような)トーナメントでは先に失点すると焦りとかが出てくるので、そういう状況を招かないためにも、自分たち(守備陣)が耐えないと。無失点で守ることを第一に考えてやっていきます。普段通りに自分たちの戦い方をすれば、勝てると思います」 <角田涼太朗(つのだ・りょうたろう)> 1999(平成11)年6月27日生まれの19歳。さいたま市中央区出身。181センチ、74キロ。同市の普門院幼稚園年少組のときにフォッズSCサッカースクールでプレーを始めた。北浦和サッカースポーツ少年団からJ1浦和のジュニアユースを経て前橋育英高へ。2年時の全国高校選手権で準優勝し、3年時の同大会で日本一に輝いた。3年時にはU-18日本代表入り。筑波大ではすぐにポジションをつかみ、ここまでリーグ戦16試合に出場している。全日本大学選抜。
◆角田アラカルト◆日光に行きたいが… 1年生なので、単位をたくさん取らなければならない。そのため、サッカーの練習や試合がない日でも授業はあるというのが日常のパターン。つまり、完全なオフにはなかなかならない。秋のこの時期になると、日光に行って、紅葉を見たり、温泉に入ったりといったお出かけプランに憧れるが、下級生の間は実現が難しそうだ。 ◆乃木坂46 「悲しみの忘れ方」という曲がお気に入り。シングルにはなっていないのだが、しっとりとしたバラード調の感じがいい。メンバーの中で好みなのは生田絵梨花。ただし、好きな女性芸能人は誰かと聞かれたら、「川口春奈さん」と答える。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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