トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

貴景勝、唯一の初日から6連勝

2018年11月17日 紙面から

魁聖(左)を突き落としで破り、6連勝の貴景勝=福岡国際センターで(佐藤桂一撮影)

写真

◇九州場所<6日目>

 (16日・福岡国際センター)

 小結貴景勝(22)=千賀ノ浦=が魁聖を突き落とし、6連勝で単独トップに立った。大関高安(28)=田子ノ浦=が平幕玉鷲を寄り切って1敗を堅持。初日から5連勝だった平幕栃煌山(31)=春日野=は平幕錦木に敗れ、初黒星を喫した。この結果、全勝の貴景勝を1敗で高安、栃煌山、平幕の千代大龍、阿炎、大栄翔、阿武咲の6人が追う展開となった。

 魁聖よりも身長が20センチも低く、体重は37キロも軽い。しかし、貴景勝の体には志が詰まっている。低い立ち合いから魁聖を起こして、利き腕の左から思い切りよく突き落とし。目の前の一番で栃煌山が敗れたため、ここで単独トップに躍り出た。

 それでも何一つ変わらないのが貴景勝だ。「相撲は6日で終わりじゃない。倍ありますから…。まったく関係ないし、何も考える必要がない」と言い切る。

 貴乃花部屋が消滅し、千賀ノ浦部屋へ移籍して臨む。環境の変化はあるはずなのに、「変わったことはありません」と受け流す。元貴乃花親方から受け継いできたものも変わらない。

 取組後に入る風呂の時間は最短の部類。この日はわずか6分間だ。理由は「テーピングとか何一つ巻かないから。外す時間とかがいらない」。元貴乃花親方も現役時代、テーピングやサポーターをほとんど巻かず、きれいな体で土俵に上がっていた。

 貴景勝はプロ入りしてから巻いていたが、3年前の夏場所を最後に巻いていない。勝てば幕下優勝が決まる一番で、両足にテーピングを巻いていたことで滑り、負けてしまった。「前の師匠(元貴乃花親方)から、関節の動きを制限するのに何でつけるんだと言われました。そこから外しました」という。

 仕切る姿は淡々としているが、「絶対に気持ちで負けへん、それだけ考えてる」。胸の内の熱い思いは、土俵で表現すればいい。とはいえ、連勝で気持ちが高ぶり眠れない時はある。そんなときは「部屋を暗くして目をつぶってると、7割くらい体が休まるんで」。ストイックに相撲道を追求していく。 (岸本隆)

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ