ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
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オーバーロード13巻が発売されるまで続く2017年の冬はまだまだ終わりそうにありませんね。
ありんすちゃんとアウラとマーレがそれぞれ振り袖と紋付き袴で揃いました。良いですね。たまにはこうした正月っぽいのも……
改めましてあけましておめでとうございます。本年もありんすちゃんを宜しくお願い致します。
三人がいるのはナザリック地下大墳墓の第六階層にあるアンフィテアトルムです。なんでもこれから羽根つきをするんですって。
「……羽根つきってさ、この板の所でこの羽根が付いた玉を打ち合うんだよ。で、落としたら負け。負けたら顔にこれで落書きするんだよ? ね、面白そうじゃん」
ありんすちゃんも大喜びです。ありんすちゃんが勝ってアウラとマーレの顔を真っ黒にしてやろうと、鼻息が荒くなっています。
あれ? アウラがマーレとアイコンタクトでニヤリと笑いましたよ? そうです。実はアウラとマーレは年末に羽子板を見つけてから今日まで猛特訓してきていたのでした。危うし! ありんすちゃん。
「いくでありんちゅ!」
ありんすちゃんは張り切ってつまんだ羽根を離すと羽子板で思いっきり打ち上げます。羽根はまるでロケットのように飛んでいきました。さすがはかつて守護者でも一二を争う猛者だったありんすちゃんですね。
※ ※ ※
「……落ちてきませんね?」
手をかざしながらマーレがため息をつきました。
「しょうがないなあ。ありんすちゃん力の入れすぎだよ? きっと天井に突き刺さっちゃったんだよ。今度はあたしがやってみるよ?」
アウラは憤慨するありんすちゃんを尻目に羽根を羽子板で打ち上げました。羽根はありんすちゃんが打った時と同じように飛んで行き──
「──お姉ちゃん……落ちてこないね」
羽子板を構えながらずっと空を見上げたままのマーレが呟きました。
「……あれー? おっかしいなー……随分加減した筈だけどねー? あ、そうだ。やっぱり外でやろう? ね?」
ありんすちゃんはアウラに文句を言いたかったのでしたが、アウラの勢いに気圧されて言えませんでした。
※ ※ ※
三人はログハウスから地上にやって来ました。これなら思いっきり羽根つきが出来そうです。ありんすちゃんは羽子板をブンブン振ると鼻からフンスと息を吐きました。
「……いくでありんちゅ!」
ありんすちゃんは羽根を放り上げると羽子板で打ちました。カシュイイイーンと音を立てて羽根はミサイルみたいに飛んでいきました。すぐさまマーレはシモベのドラゴンを呼び出すと背に飛び乗って飛び立ちました。
※ ※ ※
魔導国の傘下となったバハルス帝国首都アーウィンタール──新年から平和を楽しむ人々が賑い活気があります。
「……民衆がうらやましいものだな」
城下を見下ろしながら皇帝ジルクニフはため息をつきました。
「……新年ですぜ? せめて新年くらいは楽しくいきましょうや?」
バジウッドはほんのり赤く染まった顔で笑いかけます。
こいつめ。酔っていやがる──ジルクニフは忌々しく思いながら窓の外に目をやります。
「──うん? あれは……まさか?」
皇城に向かって何かがすごい勢いで飛んできます。それはみるみるうちに大きくなっていき、ドラゴンだとわかりました。
「──あ、あれは魔導国の──」
間違いありません。以前に魔導国の使者を乗せてきたドラゴンです。ドラゴンの巨体が目の前に迫り──ドガッシャーン!
──皇城にドラゴンの尾が直撃しました。
「なんなんだ! なんなんだ! 一体?」
あわやの所で助け出されたジルクニフは悪態をつきました。
「パキーーン!!」
甲高い音と同時にドラゴンは元来た方角に飛び去っていきました。
「なんなんだ? あれはなんだったんだ?」
ジルクニフは力なくうなだれるのでした。
※ ※ ※
ありんすちゃん、アウラ、マーレの羽根つき勝負は互角のまま進み、夕方になりました。ありんすちゃんは焦って羽子板を投げ棄てると代わりのモノを〈グレーターテレポーテーション〉で取り寄せました。
「うわ? なんだこれは?」
「あー! ありんすちゃんは反則したので失格だねー!」
突然羽子板代りにテレポーテーションさせられた白いサーコートの女騎士を指しながらアウラが宣言しました。
仕方ありませんよね。だって、ありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なのですから。