南紀白浜には、働き方の未来がありました。<全2回>
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2018.10.16
F.I.N.的新語辞典
毎週一つ、F.I.N.編集部が未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。今回紹介する言葉は、フランスで昨年から施行された「つながらない権利」です。
つながらない権利【つながらない・けんり/The right to disconnect】
休日や勤務時間外に、仕事上のメールや電話などへの対応を拒否できる権利のこと。
2016年5月、フランスにおける労働法改正の一環として、従業員50人以上の企業で、仕事の時間が終わったら仕事に関するメールや電話をしなくてよいという法案が成立し、2017年1月から施行されています。つまり、フランスでは週末や休暇中に仕事のメールをチェックすると法律違反となるのです。ただ、現段階ではこの法律は強制ではなく、特に罰則などはありません。
フランスの文部大臣であるベノ・ハモン氏はBBCのインタビューに対して、「仕事に関係するストレスは昔に比べて大きくなっている。労働者はオフィスを離れても、仕事からは離れられません。まるで犬のように、電波の鎖につながれているのです。メールやメッセージは疲れ切ってしまうまで送られてきて、生活を支配しています」と語りました。(出典:BBC)
日本だけでなく、世界でも問題になっている「働き方」について、ドイツで働くジャーナリストの雨宮紫苑さんにお話を伺いました。雨宮さんは、ある日ドイツのホームドクターに検査の件でメールをしたところ、〈休暇中なので総合窓口に連絡してください。受信したメールは自動的に消去されます〉という自動返信が返ってきたといいます。これもつながらない権利保障の一環だったようです。雨宮さん自身は「メールを消去する、というのはやりすぎでは?と思ったけれど、いつでも連絡がとれてしまう現代は、こういった強硬手段も必要な部分もあるのかもしれないですね」と語ります。休みの質を上げることが、仕事の質も上げる、と言う雨宮さん。質の高い休みを取るためには、質の高い労働をして仕事を終わらせる必要があります。さらに休みの日は連絡が取れないとなれば、社内での引き継ぎや情報共有が活発になり、より働きやすい環境をつくるに違いないと話してくれました。
いつでもどこでも、電話もメールもSNSもつながりっぱなしの現代。休みの日は休む、という当たり前のことが難しくなっている時代だからこそ、「つながらない」ことを会社、そして国が認めていかないといけないのかもしれません。
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