【ゴルフ】前代未聞の2人同時に誤球 松山&星野、お互いに「申し訳ない」2018年11月16日 紙面から
◇ダンロップ・フェニックス<第1日>▽15日、宮崎市・フェニックスCC(7027ヤード、パー71)▽晴れ、17度、東北東4・4メートル▽賞金総額2億円、優勝4000万円▽84選手▽観衆3566人 前代未聞の珍事が起こった。4年ぶりの優勝を目指す松山英樹(26)=レクサス=と、一緒に回っていた星野陸也(22)が、14番パー4で互いのボールを誤ってプレー。誤球となり、それぞれ2罰打を科された。2人そろっての誤球は、極めて珍しい。この影響で、ともに72の1オーバー、56位と大きく出遅れた。世界ランク1位で大会3連覇がかかるブルックス・ケプカ(米国)は2アンダーの18位。首位は小田孔明(40)=プレナス=で5アンダー。 ハプニングは14番で起きた。13番でバーディーを奪い、イーブンパーに戻した松山が先にティーショットを放つ。続いて星野が打ち、ともに左ラフへ。2つのボールの距離は5ヤードほどだった。「自分の方が飛んでいない」と思ったという松山の第2打は、ピンそばに寄せるナイスショット。グリーンで球を拾い上げ、ふいてもらおうと渡した進藤大典キャディーが「あっ」と声を上げた。 「ボールが違う」 その時初めて誤球に気付いた松山。星野も疑いもなく、第2打をピン奥へ運んだ。「誤球は人生で初めて。僕だけが2ペナ(罰打)だったら良かったけど、(星野を巻き込み)申し訳ない」。松山はうつむき加減に反省の言葉を並べた。 2人は誤球に気が付くと、競技委員を呼んだ。規則に従って2罰打が科され、元の場所から4打目を再開するのに、10分近く要した。ギャラリー中には「何があったの」と状況をつかめない人たちも。このホール、2人はダブルボギーだった。 ともに住友ゴム工業と用具契約を結び、使用球は同社製の「スリクソン」。いずれも黒の一本線を引く。星野の球はその線の両側に短い線が加えてあるだけで、見た目は酷似していた。松山は、間違えないよう「新たに印を加えた」と話した。 誤球は、星野にとっても、試合では初めての経験。「お互いに『ごめんね』みたいな感じでしたけど、僕がしっかりボールを見ていれば…。メジャー選手に申し訳ない」。14番以降も2人のティーショットは接近。互いに球をのぞき込むように確認し、目が合うと笑みを浮かべ合うシーンもあった。 終盤に星野はイーグル、松山も連続バーディーを奪い、予選当落線上に踏みとどまった。ともに狙うは、前代未聞の珍事で始まった初日からの逆襲。松山は「上位が伸びていないから、上に行けるチャンスがある」と、巻き返しを誓った。 (末松茂永)
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