ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
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「フーンフーンンンンールルラルルー♪」
ナザリック地下大墳墓第ニ階層の屍蝋玄室では、ありんすちゃんが寝転がってお絵かきに夢中になっています。
画用紙に肌色のマーカーで大きな丸を描いて丁寧に塗りつぶします。それから赤のマーカーで目と口を描きます。髪は灰色のマーカーで描きます。左右に伸びた髪はクルクルとカールさせます。
ピンクでフリフリの帽子と大きなリボンを描き足せばあっという間にありんすちゃんの出来上がりです。
画面一杯の大きなありんすちゃんの自画像をしばらく眺めていたありんすちゃんは今度はサインペンを手にします。
ありんすちゃんの顔の上に『ありんすちゃん』と書きました。『す』が左右逆さなのはご愛嬌です。またもやしばらく眺めていたありんすちゃんはサインペンで『かわいい』と書き加えました。そして、それから『とっても』と書き加えました。
これで『とっても かわいい ありんすちゃん』の絵が完成しました。ありんすちゃんは満足そうです。
床に今まで描いた絵を広げてみます。どの絵も真ん中に楽しそうなありんすちゃんが描かれています。
ありんすちゃんはふと、これまでの出来事を絵に描いてみたくなりました。さてさて、どの出来事を描いてみましょう?
いろんな事がありましたから、たくさん描けそうですよね。
ありんすちゃんが最初に描いてみたのは戦闘メイドのナーベラルを追いかけてアインズ扮する冒険者モモンと一緒になった様子でした。
次にありんすちゃんはトブの大森林でザイトルクワエと戦った様子を描いてみました。ありんすちゃんと他の階層守護者達とが合体した姿を一生懸命描きました。コキュートスが複雑な形態なのでとても苦労したそうです。絵ではありんすちゃんが目からビーム光線を出しているようですが……まあ、5歳児位の女の子のありんすちゃんの記憶ですから仕方ありませんよね。
次の絵を描こうとしてありんすちゃんは鏡の中の自分の姿を見ましたが、どうもうまく描けないみたいです。ありんすちゃんは画用紙とマーカーを握りしめると何処かに走って行きました。
※ ※ ※
ナザリック地下大墳墓 第九階層を歩いていた守護者統括 アルベドはいきなり走って来たありんすちゃんとぶつかりました。
「ちょ……なんなの? ありんすちゃん? そんなに慌てて」
「モデルがひちゅようなんでありんちゅ」
ありんすちゃんはそう言うといきなりアルベドの胸を両手で揉みました。
「ちょ……なに? また……」
なるほど。おそらくありんすちゃんは以前にユリやアルベドの胸を揉んだ時の事を描こうとしているのですね。
しかしながら、当然アルベドには全く理解出来ません。しばらくアルベドの胸を揉んでいたありんすちゃんはガックリと肩を落としました。
「モミモミしてるちょ描けないでありんちゅ……描いているちょモミモミ出来ないでありんちゅ…」
うーん……それは仕方ないと思いますが……
それから一時間もの間、アルベドは訳が分からないままにありんすちゃんに胸を揉まれ続けたそうです。仕方ありませんよね。だってありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なのですから。
ちなみにありんすちゃんがお絵かきした作品はそれぞれの話のあとがきに掲載していきますので、興味がある方はご覧下さい。