ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~   作:善太夫
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093ありんすちゃんのがーるずとーく

 今日のありんすちゃんは朝からプリプリしていて不機嫌でした。実は昨日、アルベドとアウラのガールズトークから締め出されてしまったのでした。

 

「ありんすちゃん様、いかがなさいますか?」

 

 ありんすちゃんに恐る恐るシモベのヴァンパイア・ブライドがお伺いを立てます。

 

「こうなったらありんちゅちゃも『がーるずとーく』しるでありんちゅ。すぐにプレアデシュ呼んでくるでありんちゅ」

 

 なるほど。アルベド達とは別にガールズトークをするのですね。主催者だったら仲間外れにはならないですよね。

 

 問題はありんすちゃん主催のガールズトークのティーパーティーに参加者がどれだけいるかですが……

 

 三十分程して、ヴァンパイア・ブライド達が戻って来ました。なんという事でしょう! ありんすちゃんのガールズトークに戦闘メイドは誰も来れないとの事でした。

 

「皆さんお忙しいらしく、どなたも都合がつかないそうです。仕方ありませんから私達だけでガールズトークしてはいかがでしょう?」

 

 怒りに真っ赤になっているありんすちゃんにヴァンパイア・ブライドが提案しましたが、ありんすちゃんにはとても受け入れる事は出来ませんでした。このメンバーだけではいつもと何も変わりません。せめて、一人でも良いから参加者を増やさなくては意味が無いのでした。

 

「今しゅぐ、エ・ランテルに行って誰かちゅれて来るでありんちゅ。出来たらアンデッドが良いでありんちゅね」

 

 すぐさまヴァンパイア・ブライドが十人、エ・ランテルの街に向かうのでした。

 

 ヴァンパイア・ブライド達が戻るまでにありんすちゃんはナザリック地下大墳墓の第二階層の屍蝋玄室からティーセットやらテーブルとイスとかを運び出します。配下のシモベ達によって地表のログハウスの脇にティーパーティーの会場が出来上がりました。

 

 ここならばエ・ランテルからやって来たお客さんをナザリック内に入れずに済みますし、ログハウスのプレアデスにありんすちゃんのティーパーティーを見せつける事が出来ます。もしかしたらソリュシャンかルプーあたりは途中から参加したいと心変わりするかもしれませんね。

 

「うむ。お前がありんすちゃんか? その、ガールズトークに参加すれば、も、モモン殿の秘密を教えてくれる、と聞いたが……その……私はイビ、いや、キーノという。その……たまたまエ・ランテルに来ていた通りすがりのヴァンパイアだ」

 

 そこには二人のヴァンパイア・ブライドに挟まれて、十四五歳くらいの金髪で赤いローブを着た少女が立っていました。ありんすちゃんはホスト役としてキーノと二人のヴァンパイア・ブライドを席につかせます。

 

 次々と他のヴァンパイア・ブライドも戻ってきましたが、残念ながら連れてこれた客は結局キーノだけでした。でも、とりあえずこれでありんすちゃんの面目は保てたので、シモベのヴァンパイア・ブライドから更に二人を席につかせてガールズトークを始める事にしました。

 

 残りのヴァンパイア・ブライドとシモベ達はナザリックに返し、六人で紅茶を楽しみます。おや、今回の参加者は全員がアンデッドでしかも、偶然、全員がヴァンパイアです。

 

「ヴァンパイアあるある、言い合うのもおもちろいでありんちゅね」

 

「……いや、私はモモン殿の──」

 

 ありんすちゃんは横から遮ろうとしたキーノの口にシュークリームを押し込んで黙らせました。とても美味しいシュークリームなんですよ、それ。

 

「ええと、鏡に映らないとか言われますが、映りますよね?」

 

 早速ヴァンパイア・ブライドの一人が話題に乗ります。

 

「この前、急流で溺れかけちゃでありんちゅ。水は気をちゅけないとダメでありんちゅ」

 

 ヴァンパイア・ブライドは全員がありんすちゃんが溺れかけたのは単に背が届かなかっただけだと知っていましたが、黙っていました。

 

「初めてのお家は『上がってくだちゃい』と言われるまで上がっちゃいけないでありんちゅ」

 

「……いや、それは迷信……それよりモモン──むぐぐ……モグモグ」

 

 ありんすちゃんは今度は大きなエクレアをキーノの口に押し込みます。キーノは顔中をクリームだらけにして、モゴモゴしていました。

 

「銀製品は少しだけ苦手です。十字架は別に好きでも嫌いでも無いですが」

 

「ちょうでありんちゅね。あと、トマトジューチュよりオレンジジューチュがしゅきでありんちゅ」

 

 最初のうちはいろんなヴァンパイアあるあるの話題に盛り上がっていましたが、ありんすちゃんはどうやら飽きてきたみたいです。

 

「たまにはキーノの話を聞くでありんちゅ」

 

「モモン殿の秘密とは是非、教えて頂きたい!」

 

 キーノは勢いよくありんすちゃんに詰め寄りました。と、いきなりありんすちゃんは意を決したかのような真剣な表情で立ちあがりました。

 

 ありんすちゃんはこれでもナザリック地下大墳墓の階層守護者の一人です。ですから当然、アダマンタイト級冒険者“漆黒”のモモンが実はアインズの仮の姿である事を知っています。

 

 しかし、目の前にいる『通りすがりのヴァンパイア』キーノが実は王国のアダマンタイト級冒険者蒼の薔薇のマジックキャスターであるイビルアイだという事をありんすちゃんは知りません。

 

 このままありんすちゃんはモモンの秘密をばらしてしまうのでしょうか?

 

 ありんすちゃんの言葉をキーノもヴァンパイア・ブライド達も、そしてログハウスの中にいるプレアデスも固唾を飲んで待ちます。ピンと張り詰めた空気の中、ありんすちゃんが口を開きました。

 

「……おちっこに行ってくるでありんちゅ」

 

 仕方ありませんよね。ありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なのですから。








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