学ぶ。つながる。発信する。美容の未来を創る場所。
vol.32
りらくる 代表取締役社長
開業9年目の2018年に出店数610店舗を達成したリラクゼーションサロン「りらくる」。価格破壊ともいえる「60分2980円(税抜き)」の低価格路線のもみほぐしサービスがヒットし、いまや業界店舗数・第1位。育成が難しいとも言われる業務委託セラピストを主力にしながら、いかにして急成長を遂げたのか。社長・出上さんにうかがいました。
第1章手作業だった業務をITで効率化
大学卒業後は東京の会社でSEとして働いていました。住宅金融公庫といった企業の情報システムの仕組みづくりです。それを5年ほど続けた後、人材派遣会社の経営企画に転職しました。SEのときもシステム開発の工数管理をしていたので数字に強い点が買われて、そこでは予算組みなどをしていました。それから今の会社、りらくに来たという流れです。
家庭の事情で地元の広島に帰ることにしたので、西日本で職を探して見つけたというのが一つ。あとは自分自身もリラクゼーションを利用するのが好きで、会社を大きくする手伝いをしたいという気持ちもありました。それで入社試験を受けて、総合職の社員として採用されました。
うちの会社のルーツは美容室なんですね。創業者の竹之内が美容室を経営していて、業務拡大として「りらく」を開業したんです。だから当時は社員が20人くらいだったかと思うんですが、その半数は美容師さん。それまでいた会社と比べると「めちゃゆるい会社だな~」っていう印象で(笑)。
どんな点から「社長に…」と言ってくれたのかはわかりませんが、実際に入社して3日で部長職に、3カ月で本部長職になったんですよ(笑)。そして入社から3年後に社長を引き継ぎました。
セラピストの数も増えているのに、当時は時間枠管理をすべて紙でやっていたんですよ。セラピストからファックスで入店希望が本部に来て、それを見てエリアマネージャーが時間枠を組む。そしてまたファックスで決定時間枠を送り返す…という形。だからその日、誰が入店予定なのかはその地区を担当するエリアマネージャーしか把握できていない状況でした。
そうなんですよね。もともと創業者はそんなに店舗数を拡大しなくてもいいかなという考えもあって、手作業でも回っていたんです。でも店舗が増えるとどんどん社員の負担が大きくなってしまって。1日に何百枚もファックスが来て、それをチェックしていたんですよ。それで、こういう時間枠管理をITシステム化したら社員の負担が減るし、店舗を増やす障壁もなくなりますよねって話をして、IT化に踏み切りました。
最初は入社して3カ月目くらいかな、私が手作業でマクロを組んで時間枠管理システムを構築しました。2000人以上いたセラピストの入店表も以前は手書きのものをいちいちPCに入力し直して印刷して郵送…という手順だったのですが、余計な手間を省いて自動化しました。
その後、外部の専門家に依頼して本格的なシステム構築を行いました。今では各店舗にタブレットを導入して、そこから売上などの報告も行えるようになっています。以前は売上報告もファックスだったんですよ。
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創業9年で売上高250億円!
急成長の裏に“働き方革命”あり。