【プロ野球】巨人・岡本、侍ジャパンで初弾 2回に中越えソロ2018年11月15日 紙面から
◇日米野球<第5戦> 日本6-5MLB不振にあえいでいた22歳の若武者が侍ジャパンを逆転勝利に導いた。2点を追う2回、先頭の岡本が初アーチ。第1戦で2打数無安打に封じられたゲラの直球をバックスクリーンに運び「力負けせず打ち返せてよかった」と拳を握った。 チーム2安打目も背番号8だった。4点を追う7回、ベラスケスの外角スライダーに食らいつく右前打。第3戦まで11打数1安打と苦しみ、第4戦は出番がなかった。金子ヘッドコーチとブルペンで早出練習に取り組み「バットが体から離れていたので、近くを通すことを一番意識した」。その成果が中堅から右方向への2安打に結実し「素直に打ち返せてよかった」と喜んだ。 これで打線に火が付いた。上林、甲斐と3連打で1点を返し、相手失策でもう1点。さらに1死一、三塁で代打山川が「気持ちだけ」で左中間を破る2点適時二塁打を放ち、試合をあっさり振り出しに戻した。 押せ押せムードのまま8回に決勝点を奪い、第1、4戦に続く終盤の鮮やかな逆転勝利。1試合を残して勝ち越しを決め、相手のマッティングリー監督を「ひっくり返される展開が続き、残念だ。とくに終盤に粘り強く、最後まで抑えるのが難しい打線だと感じている」と完全に脱帽させた。 稲葉監督は「なんとか後ろにつなごうという、みんなの気持ちが一つになって逆転劇を生んでいる」と選手を立てたが、常に勝利にこだわり、かつ選手を信頼する指揮官の姿勢も一役買っている。岡本は「打てない中でも試合に使ってもらって感覚が上向いた」と感謝した。チームや仲間のため、最後まで諦めずに戦う侍ジャパンが、見事にメジャー軍団を粉砕した。 (小林孝一郎)
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