ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
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ナザリック地下大墳墓第九階層──ありんすちゃんが誰かを探すかのようにキョロキョロしながら歩いています。どうやら誰かに用事があるみたいですね。
「これはこれは……ありんすちゃ、様では」
ありんすちゃんが振り返ると戦闘メイドのユリとシズがいました。ありんすちゃんは二人を交互に眺めてから小さく呟きました。
「ま、これくらいで我慢するでありんちゅか……」
「な、なにを!?」
思わずユリは叫びました。ありんすちゃんがいきなり両手でユリの胸をわしづかみにしたからです。ありんすちゃんは両手をわきわきさせてユリの胸を揉み始めました。
「ありんす様? 一体なにを?」
ありんすちゃんはユリの胸を揉んだ手を自分の胸に当てます。
「これでよし」
ありんすちゃんは満足したように頷くと、トテトテと駆け出しました。
「ありんす様ー? ボクの胸をなんでー?」
ユリはありんすちゃんに問いかけましたがそのままありんすちゃんは走り去ってしまいました。
※ ※ ※
次にありんすちゃんが姿を見せたのは第六階層でした。
「おやー? ありんすちゃんじゃん。あたしに用かな?」
アウラがありんすちゃんに声を掛けましたが、ありんすちゃんは無言でアウラの胸元をじっと見ています。やがて小さく「プッ」と笑うとトテトテと走り去っていきました。
「うーん……なんか感じ悪ーい」
※ ※ ※
アルベドはアインズの部屋のベッドの中で思い出に浸っていました。ナザリック地下大墳墓の玉座の間でアインズがアルベドに触れてよいかと尋ねた時の事を──そして「構わないな?」と力強く言いながら胸に手を伸ばして──
「モミモミモミ……」
アルベドが我に帰るといつの間にかありんすちゃんがいて、アルベドの胸を両手で揉んでいました。ひとしきり揉み終わると今度は自分の胸を触ります。
「ちょ、ありんすちゃん? ……あんた……」
※ ※ ※
「オッパイが大きくなるおまじないでありんちゅ」
アインズの執務室に連れてこられたありんすちゃんは胸を張って答えました。アインズは子供のする事と笑って済ましたかったのですが、いかんせん被害者がたくさんいすぎました。ここは穏便に解決しなくてはならないでしょう。
アインズは考え考え言葉を絞りだしました。
「ありんすちゃんよ。私はお前の創造主のペロロンチーノさんとは仲が良かった。おそらくパンドラズ・アクターを除けばありんすちゃん、つまりシャルティアについて一番詳しいかもしれない」
ありんすちゃんは神妙そうな表情でアインズの言葉に耳を傾けています。
「ある日、ペロロンチーノさんが酷く愚痴をこぼしていた事があった。その時、ペロロンチーノさんははっきりと言った。『オッパイなんて飾りです。エロい人にはわからんのです』と。そして更に『貧乳はステータスだ。稀少価値だ』とも」
ありんすちゃんの顔はみるみる明るくなっていきました。
「無理に背伸びする事はペロロンチーノさんも望まないだろう」
「わかりまちた……」
ありんすちゃんはアインズに向かって深々とお辞儀をしました。アインズはほっとしました。どうやらこれで無事に解決出来たみたいです。
※ ※ ※
ちなみに翌日、アウラとマーレからありんすちゃんが胸を撫でに来るという苦情があがったそうです。まあ、ありんすちゃんは5歳児位の女の子ですから、仕方ありませんよね。